被爆体験者救済へ 長崎県が「黒い雨」検証会議 きょう初会合

 長崎県は7日、長崎原爆投下後に降った「黒い雨」などについて検証する専門家会議を設置し、8日に初会合を開くと発表した。過去に県と長崎市が被爆未指定地域で収集した黒い雨証言などについて、原爆後障害や気象などの学術的な観点からあらためて分析。国の指定地域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」らの救済を国に求めるため、客観的な根拠を探る。
 黒い雨の被害者救済を巡る被爆者認定指針改正について、厚生労働省は認定対象を広島に限り、長崎の被爆体験者らを対象外とする方針。一方で長崎県・市は1999年度の証言調査により、長崎でも黒い雨などが降ったのは明らかで「広島と同じ事情」と主張するが、国は「客観的資料がない」と認めていない。
 そこで県は、証言資料などの客観的検証を専門家に依頼。メンバーは▽京都大複合原子力科学研究所の五十嵐康人教授▽長崎大原爆後障害医療研究所の松田尚樹教授と横田賢一助教▽平山愛弁護士-で、長崎市原爆被爆対策部もオブザーバー参加する。事務局の県原爆被爆者援護課によると、具体的な検証方法などは8日の初会合以降に決める。


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