今季V長崎に加入した10人のうち、今回は「DF、GK編」として6人を紹介する。前線の主力が多数残留した一方、DFラインはやや入れ替わりが多い印象。いかに松田体制の堅守を引き継げるか、主軸が抜けたサイドバックの攻撃力を保てるかが重要なポイントになる。
センターバックは対人の強さに自信を持つDF櫛引一紀(28)をJ2大宮から迎え入れた。昨季のJ2北九州で主将を務めたDF村松航太(24)は統率力やビルドアップに優れており「決定機を防いだら、1ゴールと同じ価値がある」と新天地での飛躍を期している。
ディフェンスリーダーだった新里亮、セットプレーの得点源だったフレイレが他クラブへ移籍した中、最終ラインに安定をもたらせるかはリーグ序盤戦の大きな注目どころ。身長190センチの鹿山拓真も昨季途中に手放したことで高さへの不安は残っている。
DF毎熊晟矢がC大阪へ移籍した右サイドバックには、J1清水のDF奥井諒(31)とJ1柏のDF高橋峻希(31)が加入。実績がある2人で手厚く固めて穴を埋めた。奥井はハードワーク、高橋は攻守ともに安定感というそれぞれの特長があり、互いに左サイドも任せられるユーティリティー性は重宝しそう。
「持っている100パーセントの力をチームのために注げる」と奥井。2019年に柏でJ2優勝の経験がある高橋は「J2は総力戦。おのおのが自覚を持たないと戦い抜けないリーグ」と気を引き締めている。
GKは2人が移籍し、2人が加入した。J2大宮から期限付き移籍してきたGK笠原昂史(33)はプロ歴11年の経験とシュートストップが魅力。キャンプ中は、クロスボールを処理する守備範囲の広さも見せて「ゲームをこなす中で、徐々にGKの役割を理解してきた」と手応えを語る。背番号1のGK富澤雅也との守護神争いは熱を帯びている。J3讃岐を契約満了になったGK浅沼優瑠(29)は合同トライアウトで入団を勝ち取り、GK原田岳は期限付き移籍から完全移籍に切り替わった。