V長崎、新戦力2022 FW・MF編 プラスアルファの強力補強 推進力とパワーで得点量産期待

J1通算66点、J2通算35点を誇るFWクリスティアーノは今季最注目の補強

 サッカーJ2のV・ファーレン長崎に今季、新たに10人の選手が加わった。昨季、序盤の出遅れから4位まで巻き返したチームスタイルを継続しつつ、おおむね松田浩監督のリクエストに沿った補強に成功している。期待の新戦力を2回に分けて紹介する。1回目は「FW、MF編」-。

 「昨年の選手が軸になって、新しい選手がプラスアルファになれば」。3年ぶりにV長崎の強化部へ戻ってきた竹村栄哉テクニカルダイレクターは、チーム編成の考え方をこう説明する。攻撃、守備、プラス攻守の切り替え。この3局面のチーム戦術を深化できる顔触れをそろえ、J2優勝、J1復帰を目指す。
 「プラスアルファ」の大きな目玉に、J1柏から獲得したFWクリスティアーノ(35)が挙げられる。新たなブラジル人アタッカーは縦への推進力とパワフルなシュートが魅力。昨季もJ1で7ゴールを挙げて年齢の不安を払拭(ふっしょく)した。
 ツートップの一角で決定力を生かすのか。それとも、右サイドハーフで起用すれば昨季のMFウェリントンハットを上回る破壊力を生み出せる。「加入するからには、絶対に優勝しようというモチベーションで来た」。FWエジガルジュニオ、MFカイオセザールとの新ブラジル人トリオで得点量産を狙う。

キャンプから好調を維持しているFW奥田はサイドハーフでも起用可能

 FW奥田晃也(27)は味方を生かし、味方から生かされる万能タイプ。J2水戸に所属した昨季は対V長崎のホーム戦でゴールを挙げ、アウェー戦ではおとりの動きで味方のゴールをお膳立てした。どちらの得点シーンも相手の間を突いて抜け出すタイミングが抜群で、ポジショニングの質にセンスが感じられる。キャンプ中のトレーニングマッチで2点を挙げて先発入りの有力候補に名乗りを上げている。

高校サッカーで活躍したMF笠柳。細かいタッチのドリブルで守備網を切り裂く

 前橋育英高卒のルーキーMF笠柳翼(18)と、下部組織からプロ入りしたMF安部大晴(17)のU-18日本代表候補2人は話題性豊富。どちらも線が細くフィジカル強化は必須だが、ボールを扱う技術、サッカーIQの高さは目を見張る。過密日程のため総力戦が求められる今季、どこかで出場のチャンスが訪れるだろう。笠柳は4月から早大の通信教育課程を履修し、安部は鎮西学院高3年生。学業との両立を掲げる。

県内初の現役高校生JリーガーとなったMF安部。ボランチを主戦場とする

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