【新型コロナ】リエゾンチーム解散「逐一報告受けてない」 ワクチン相答弁で予算委紛糾

 新型コロナウイルスワクチンの接種促進へ向け都道府県や政令指定都市からの派遣者で構成していた自治体支援リエゾンチームが事実上解散させられていたことを巡り、9日の衆院予算委員会が紛糾した。堀内詔子ワクチン担当相は「メンバーの転勤を逐一は報告を受けていない」と答弁し、野党は「無責任」と批判した。

 「チーム解散」は前担当相で自民党の河野太郎広報本部長(15区)が自身のツイッターで明らかにした。政府答弁や神奈川新聞社の取材によると、リエゾンチームは最大52人の規模で国と地方間の連絡役を担った。2回の接種のめどが立ったとして昨年9月末に解散が決定。年末までに全員が派遣元である自治体へ戻ったという。

 9日の審議では立憲民主党の柚木道義氏の質問に後藤茂之厚労相が一連の経緯を認めた。「現在のチームメンバーは厚労省職員13人。地方からの問い合わせは1日20件ほどでピークの10分の1程度。十分に対応できている」と補足した。

 紛糾したのは「堀内大臣はリエゾンチームの52人が地元へ戻ったことをいつ知ったのか」との柚木氏質問への対応。担当相は「任務は適切に行われている」と時期などを明言しない答弁を繰り返し、野党から「認識した時期を聞いているんだ」と怒号を浴びた。
 「チームは継続し、任に当たっている。支障はない」などと厚労相が割って入ると「そんなこと聞いていない」「議事妨害だ」と野党理事が委員長席に詰めより「ちゃんと答えてるだろ」との与党委員のヤジも加わり、騒然となった。

 委員長から促された担当相の「逐一報告は受けていない」との答弁を受け柚木氏は「無責任だ。信じ難い」と批判。「岸田文雄総理もチーム解散を知り激怒した」との一部報道も引き「政府内が情報共有を欠いている。自治体派遣者によるチームと現状では全く異なり、3回目接種の停滞を招いている」と指摘した。

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