「反核9の日」高校最後の座り込み 平和大使の大澤さん 核廃絶署名「思いを後輩に」

高校生活最後の座り込みに参加する大澤さん(中央)=長崎市、平和公園

 474回目の「反核9の日座り込み」が9日、長崎市松山町の平和公園であり、被爆者ら約90人が核兵器廃絶を訴えた。高校生平和大使の大澤新之介さん(18)は高校時代最後の参加。新型コロナウイルス禍で核兵器廃絶署名を国連に直接届けられなかった悔しさをにじませつつ「思いを後輩につなぎたい」と語った。
 大澤さんは鎮西学院高1年生の時、被爆者の曽祖母が亡くなった。これを機に平和活動を始め、2年生で第23代大使に選出された。コロナ禍で制約を受けながらも、核兵器禁止条約の意義などを紹介する動画を仲間と制作。全国の高校生が平和を願う曲を歌いつないだ作品は会員制交流サイト(SNS)やユーチューブで計1万回以上再生された。
 座り込みは休日や夏休みなどに計10回ほど参加し、被爆者らと核廃絶への思いを共有してきた。9日のスピーチでは「集めた署名をこの手で国連に届け、被爆4世としての思いを伝えたかった」と語る一方、今春から県内の大学に通い平和活動を続けると報告。終了後「県内の大学生が平和活動に取り組む基盤をつくったり、高校生平和大使の活動をサポートしたりしたい」と決意を新たにしていた。


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