五輪でかっこいい滑りを―。スノーボード女子ハーフパイプの妙高市出身、冨田せな(22、チームアルビレックス新潟)、るき(20、チームJWSC)姉妹が大舞台で常々口にしていた通りの演技を見せた。9日に行われた予選で出場22人のうち、姉のせなが5位、るきが6位に入り、10日の決勝に進出を決めた。
初出場の妹・るきは1回目に高さのあるエアを連発し74・25点、2回目は持ち技のバックサイド900(進行方向とは逆向きに踏み切り横2回転半)を決めた。4年前に平昌大会(韓国)で8位入賞し、2回目の出場となる姉・せなは高さのあるエアとグラブ(手で板をつかむ)を最後の技までつなぎ75・75点。大技は決勝に残し、余力を感じられた。共にテレビの画面には笑顔で映し出された。
それぞれ1月のワールドカップや冬季Xゲームで優勝し、調子を上げて臨んだ五輪の本番。るきにとっては、前回4年前は会場で姉の滑りを見て、「次は自分が出る立場になりたい」と意を強くした舞台。せなにとってはワールドカップの公開練習で転倒し、脳挫傷(びまん性軸索損傷)の大けがを負っている地であり、因縁のある場所での戦いとなっている。
予選後、テレビのインタビューの受け答えは次の通り。
姉・せな 正直、1本目はもうちょっと攻めたかったが、以前、ここのスキー場で行われたワールドカップでけが(2019年12月、脳挫傷)したこともあって、それがよぎって、ちょっと怖くなってしまった。もう少し点数を伸ばしていきたかった。滑り切れたことには安心している。(決勝は)もっと攻めて、かっこいい滑りができたらいいと思っている。もうちょっとルーティンを上げようと思っている。
妹・るき 1本目は落ち着いて滑ることに集中できた。2本目は公開練習で1回も(着地で)立っていなかったバックサイド900に挑戦し、(動きが)慌ただしく、グラブができないとか、ミスするところが多かった。(決勝では)細かいところを直して、もっと点数を上げていきたい。高さは気にせず、楽しく滑れればいいと思っていた。まだ完全とは言い切れないけど、予選でやりたいことはできたと思う。(決勝は)公開練習(の内容)にもよるけど、(技の難度を)上げると思う。