〈2022北京五輪〉スノーボード女子HP・冨田姉妹 五輪でかっこいい滑りを 大舞台で持ち味発揮 10日決勝に挑む

 五輪でかっこいい滑りを―。スノーボード女子ハーフパイプの妙高市出身、冨田せな(22、チームアルビレックス新潟)、るき(20、チームJWSC)姉妹が大舞台で常々口にしていた通りの演技を見せた。9日に行われた予選で出場22人のうち、姉のせなが5位、るきが6位に入り、10日の決勝に進出を決めた。

 初出場の妹・るきは1回目に高さのあるエアを連発し74・25点、2回目は持ち技のバックサイド900(進行方向とは逆向きに踏み切り横2回転半)を決めた。4年前に平昌大会(韓国)で8位入賞し、2回目の出場となる姉・せなは高さのあるエアとグラブ(手で板をつかむ)を最後の技までつなぎ75・75点。大技は決勝に残し、余力を感じられた。共にテレビの画面には笑顔で映し出された。

スノーボード女子ハーフパイプ予選、張家口市の五輪会場で高さのあるエアを見せる冨田せな(写真:AP/アフロ)

 それぞれ1月のワールドカップや冬季Xゲームで優勝し、調子を上げて臨んだ五輪の本番。るきにとっては、前回4年前は会場で姉の滑りを見て、「次は自分が出る立場になりたい」と意を強くした舞台。せなにとってはワールドカップの公開練習で転倒し、脳挫傷(びまん性軸索損傷)の大けがを負っている地であり、因縁のある場所での戦いとなっている。

 予選後、テレビのインタビューの受け答えは次の通り。

 姉・せな 正直、1本目はもうちょっと攻めたかったが、以前、ここのスキー場で行われたワールドカップでけが(2019年12月、脳挫傷)したこともあって、それがよぎって、ちょっと怖くなってしまった。もう少し点数を伸ばしていきたかった。滑り切れたことには安心している。(決勝は)もっと攻めて、かっこいい滑りができたらいいと思っている。もうちょっとルーティンを上げようと思っている。

 妹・るき 1本目は落ち着いて滑ることに集中できた。2本目は公開練習で1回も(着地で)立っていなかったバックサイド900に挑戦し、(動きが)慌ただしく、グラブができないとか、ミスするところが多かった。(決勝では)細かいところを直して、もっと点数を上げていきたい。高さは気にせず、楽しく滑れればいいと思っていた。まだ完全とは言い切れないけど、予選でやりたいことはできたと思う。(決勝は)公開練習(の内容)にもよるけど、(技の難度を)上げると思う。

姉が出身、妹が在学する全日本ウィンタースポーツ専門学校(妙高市原通)では横断幕を掲げ、テレビ観戦して応援

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