東名あおり差し戻し審、事故鑑定の専門家が証言「一家の車は被告を回避できた」

横浜地裁

 大井町の東名高速道路で2017年、「あおり運転」を受け停止させられたワゴン車に後続車が追突し一家4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(30)の差し戻し裁判員裁判の第7回公判が10日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であった。

 弁護側が請求した交通事故鑑定の専門家が証人として出廷。「一家の車は停車せずに車線変更でき被告(の車)を回避できた」などと証言した。

 日本工学鑑定センターの嘉村英樹氏が鑑定結果を説明した。被告の車に搭載されたカーナビの走行軌跡データを基に、運転状況を推定。これによると亡くなった男性=当時(45)=と妻=同(39)=の一家の車が被告より先に減速したと予測、「(追い越し車線に)停止せず第2車線に移動可能だった」こと、停車後も被告の車の側方から通過できたことなどを説明した。

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