「ながさき半導体ネットワーク」発足 人材育成へ環境整備検討

半導体人材の育成、確保を目指し発足した「ながさき半導体ネットワーク」の初回会議=県庁

 産学官が連携して、長崎県の半導体産業の振興を目指す初の共同組織「ながさき半導体ネットワーク」が10日発足した。オンラインで開かれた初回会議では今後、ワーキンググループを設け、県内の半導体関連企業で働く人材の育成と確保に向けた環境整備を検討する方針を決めた。
 冒頭を除き非公開。スマートフォン向け半導体製造大手のソニーセミコンダクタマニュファクチャリングなど7企業、長崎大など4教育機関、九州経済産業局や県、長崎、佐世保、諫早、大村各市など7団体の計18企業・組織が加盟。半導体工学の専門家、中島寛・佐世保工業高等専門学校長を会長に選んだ。
 県によると、企業側から人材確保の仕組みや規模拡大に必要なインフラ整備を求める意見のほか、教育機関側から学生の県内就職に向けたPRの必要性を指摘する声が出された。今後、人材育成策などを個別に協議し、7月の次回会合で中間報告する予定。
 県が把握する県内の半導体関連企業は約40社、従業員は約8千人。同ネットワークを軸に3~5年をかけて、大学、高専での専門カリキュラム新設などに取り組み、半導体関連人材の県内定着を目指す。国が3月に設立予定の「九州半導体人材育成等コンソーシアム」とも情報交換などで連携する。


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