復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉2月12日「本土に要請団派遣/19日ごろ県民大会」―琉球新報アーカイブから―

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 
 
 1972年2月12日の琉球新報1面トップは、このところ労組がストを打って要求していたドル―円換算レート問題で「公務員の賃金保証/行政府 1ドル=360円確約/『差額方式』を撤回/通貨切り替え適用示唆/民間企業に大きな影響」との見出しで、琉球政府側が組合側の要求に応じる考えを示したことを報じている。
 この通貨切り替え問題を巡って、通貨切替要求県民協議会(会長・平良良松那覇市長)の動向について「本土に要請団派遣/19日ごろに県民大会」との見出しで、県民大会の実施や日本政府などに要請する方針であることを報じている。
 復帰に伴う不利益変更を追及する動きに関連して「〝犠牲許さぬ〟/全軍労・第一波スト総括大会/復帰合理化に反対」との動きも掲載している。
 国会の動きに関連して、自衛隊の防衛力を定める第4次防衛力整備計画(4次防)を巡って、計画「原案」の段階のF4戦闘機など主要装備整備が新年度予算案に計上されたことに野党が反発している問題で「国防予算/解決のメド立たず/自民、来週にも重大決断」との見出しで与党側の動向を伝えている。そばの関連記事は「新規装備凍結に従う/防衛庁首脳/4次防関係で一致」との記事を掲載している。
 ベトナム戦争に関連しては、サイゴン発の共同電で「解放勢力砲撃続く/ロケット砲など/クアンガイに23発」と、南ベトナム政府軍の発表内容を伝えている。
 
 
 
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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。

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