転職活動中ですがやりたいことが分かりません…6つの方法と3つの思い込み<沖縄お仕事相談デスク>

今回のお悩み
現在25歳、転職活動中ですが、やりたいことが分かりません。
今はとりあえず前職で経験していた事務職の求人を見ていますが、このままで本当にいいのでしょうか。

 
今回の回答者は…
女性のキャリアのことならお任せ
(株)ワダチラボ代表取締役でキャリアコンサルタントの
福島知加さんです。

 
「私のやりたいことって何だろう」「やってみたいことはあるけど、これが僕の本当にやりたいことなのかな」「やりたいことを見つけている人がキラキラしてて羨ましい」
やりたいこと探しは人生の永遠のテーマですよね。
実際に求職者支援の現場や主催しているオンラインスクールでもよく耳にします。
でも、大丈夫です!!
やりたいことのヒントはこれまでの経験の中にちゃんと隠れています。
ではこれまでの経験を振り返る前に、やりたいこと探しの3つの思い込みについてまずお伝えしていきます。
 
 
■誰もが陥りがち…やりたいこと3つの思い込み
①やりたいことは1つじゃないといけない
②やりたいことは一生続けないといけない
③やりたいことを見つけることができない自分はダメだ
これらが1つでも頭の中にあると「やりたいこと」が見つかったとしても、この思い込みが足枷になり、前に踏み出せなくなってしまいます。この考えは今すぐ捨てましょう!
 
逆に、
①やりたいことは複数あってもいい
②やりたいことは1日から始めてもいい
③今やりたいことを見つけられなくても焦る必要はない
と考えて頂きたいです。
 ①やりたいことは複数あってもいい 
やりたいことを複数やってみて、これだというものが見つかってから一つ絞ってみるというのはいかがでしょうか。
これからの未来はさらに予測不可能な時代になっていきます。リスクの分散という意味でもやりたいことを同時並行でやることは時流にも合っていると思います。
 ②やりたいことは1日から始めてもいい 
まず実践する、そしてどう感じたか振り返る。自分の中で目標を決めて実行してみるのもいいと思います。
例)人から「ありがとう」と言われるまでやってみる、まずは1時間集中してやってみるなど…
 ③今やりたいことを見つけられなくても焦る必要はない 
やりたいことが見つからなくても全く焦る必要はありません。やりたいことは過去の経験から思い浮かぶことが多いです。
これからお伝えする方法でやりたいことが見つからない場合は「やりたいことができた時に実現できる経済力、思考力、実行力、人脈、体力」などの土台づくりに時間を投資してみましょう。
仕事を選びをしているのであれば、この土台づくりができそうな場所に転職することをおすすめします。
 
■やりたいことの「種」を見つける6つの方法
 ①好きなことから探る 
・好きなことは何ですか?動詞で考えてみてください。
例)ゲームが好き→(動詞に変換)ゲームで人と繋がり、コミュニティが広がっていくことが好き
 ②やりがいから探る 
・前職の経験で何をしている時にやりがいを感じていましたか?具体的に考えてみてください。
例) 元気がなかった患者さんが自分の支援で元気を取り戻し変化したこと。→人を変化したり成長させたい
 ③価値観から探る 
・これまでの経験で許せなかったことは何ですか?
例) まだやってもいないのにできないと言われ続けた→可能性を信じたい
 ④生きがいから探る 
昨今、欧米で注目されている日本の「ikigai(生きがい)」。ikigaiという日本語は「利他的に社会に貢献することを通して感じる幸福感」という意味合いで伝わっているそうです。
そのikigaiを探るワークとして「ikigaiベン図」をご紹介します。
・好き(What you love)
・得意(What you are good at)
・稼げる(What you can be paid for)
・必要とされる(What the world needs)
引用:マーク・ウィン氏の図解をもとに作成
これらのうち2つが重なった部分に関しては次のように定義しています。
・好き × 得意 = 情熱(Passion)
・得意 × 稼げる = 専門性(Profession)
・稼げる × 必要とされる = 天職(Vocation)
・必要とされる × 好き = 使命(Mission)
引用:マーク・ウィン氏の図解をもとに作成
そして、この4つ要素が重なり合うことが「生きがい」と言われています。
もちろん、4つが重なり合わなくても大丈夫なので、まずは2つが重なりあったところから探ってみてはいかがでしょうか。
 ⑤試行する 
やりたいことに確信が持てない時は、実際に試してみるのが一番です。
やりたいことを試すためには、実際に自分が「やりたいかも」と思っていることに既にチャレンジしている人に話を聞いてみるといいでしょう。
例) 英語を使った仕事に興味がある→ 英語を使う仕事を調べる→調べた職業の人が周りにいないか探る→その方にこの職業について聞いたり、試す方法を聞いてみる
まずはアルバイトや副業、インターンシップ制度などを活用してみてはどうでしょうか。
 ⑥目標を立てて行動してみる 
目標を立てると、モチベーションの維持や、計画、振り返りもしやすいのでおすすめです。
例) 絵を描くことに興味がある→ 「自分の作品を3枚売る」という目標を掲げる→ 目標を達成するために行った経験を振り返る
目標の一部指標として
・お金を頂く 例) 自分の作品で10万円稼ぐ
・経験量を増やす 例) 自分の作品を3作品つくる
・経験時間を増やす 例) 1カ月間作品と向き合う
・人に感謝される 例) 作品をプレゼントして感謝される
・人から認められる 例) デザインの師匠に認められる
これらの経験を通して自分がどう感じたのか。
深く考えるより、感じたことに素直でいると見つけやすくなると思います。
 
やりたいことの「種」は見つかりましたか。ぜひ、このやりたいことの「種」を植えて、たくさん水やりをし、花を咲かせて下さい。

◆執筆者プロフィール
福島知加(ふくしま・ちか)(株)ワダチラボ代表取締役
営業、人事、キャリアコーチの経験を経て独立。 人材支援歴12年。
企業や自治体の人材育成・定着支援、大学生の就活~求職者支援を実施しこれまで2万人以上の支援に携わる。
2021年10月より育休取得者向けのオンラインスクール「育休スイッチ」を開校。
趣味はアイドルを応援すること、泡盛を嗜むこと。2児のママ。

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