不滅の大記録 リプケンの連続試合出場、イチローの262安打も選出

「記録は破られるためにある」と言われるが、メジャーリーグの世界には今後破られないかもしれないと思われる「不滅の大記録」が多数存在する。その代表格は1938年にジョニー・バンダーミーアが達成した2試合連続ノーヒッターと1941年にジョー・ディマジオが達成した56試合連続安打だろう。メジャーリーグ公式サイトのマット・ケリー記者は、こうした「不滅の大記録」を紹介する特集記事を公開。ただし、サイ・ヤングの通算749完投のように、今後破られる可能性が皆無の記録は除外されている。

カル・リプケンJr.はルー・ゲーリッグが持つメジャー記録を更新し、何度も故障を乗り越えながら2632試合連続出場という大記録を打ち立てた。ナ・リーグ記録は1975~83年にスティーブ・ガービーが記録した1207試合であり、リプケンの記録はこの2倍以上。リプケン以降の最長記録は2000~2007年にミゲル・テハダが記録した1152試合であり、主力選手を定期的に休ませることが当たり前になっている球界の現状を考えると、リプケンの記録を破る選手が現れる可能性は極めて低いと言えるだろう。

イチローは2004年にシーズン262安打のメジャー新記録を樹立。ケリー記者は「イチローのシーズン安打記録を更新するためには、コンスタントに試合に出場し続けて多くの打席を得るだけでなく、現代の球界では珍しくなりつつある高度なコンタクト能力が必要だ」と指摘している。イチローは2004年に704打数を記録したが、シーズン700打数以上の打者はメジャー史上4人しかいない。262安打を記録するためには、シーズン700打数以上で.370を超えるハイアベレージが必要であり、「不滅の大記録」の1つに挙げられるのも当然と言えそうだ。

最後に取り上げておきたいのが1932年にジョー・スーウェルが記録したシーズン3三振という最少記録。この年のスーウェルは576打席でわずか3三振しか喫しなかった。規定打席以上の打者では史上最少であり、三振が急増した現代の球界ではたった1試合でスーウェルに並ぶケースも非常に多い。なお、スーウェルは通算8333打席で114三振。その割合はわずか1.4%である。

ケリー記者が紹介しているその他の記録は以下の通り。

●ノーラン・ライアンの通算5714奪三振と2795与四球
●リッキー・ヘンダーソンの通算1406盗塁とシーズン130盗塁
●ハック・ウィルソンのシーズン191打点
●チーフ・ウィルソンのシーズン36三塁打
●バリー・ボンズのシーズン232四球
●ベーブ・ルースのシーズン177得点
●ピート・ローズの通算15890打席と4256安打
●ハンク・アーロンの通算6856塁打
●ロン・ハントのシーズン50死球
●レジー・クリーブランドのシーズン3被本塁打(1947年以降の規定投球回以上)
●ジョディ・デービスのシーズン89盗塁刺

© MLB Advanced Media, LP.