CARGUY木村武史も参戦へ。2022年ELMSは『ル・マン100周年の招待枠』睨み、42台がエントリー

 ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズは2月14日、全42台からなる2022年のシーズンエントリーリストの暫定版を発表した。

 2023年に“100周年”を迎えるル・マン24時間レースの招待枠を睨み、かつてない賑わいを見せているELMS。2022年のELMS上位勢には、2023年ル・マンへ向け6台の自動招待枠が割り振られている。すなわち、LMP2クラスのランキング上位2台、LMP3王者1台、LMGTEのランキング上位3台が、2023年のル・マン24時間“参戦権”を得られる形だ。

 2022年ELMSの最高峰LMP2クラスには、17台のオレカ07・ギブソンがエントリーしている。このうち7台は、ブロンズドライバーを含むプロ/アマカテゴリーへのエントリーだ。

 プレマ、AFコルセなど、いくつかの新規参戦チームも加わっている一方、昨年王者で今季はWECにおいて2台体制へと拡大するチームWRTは、ELMSにエントリーしていない。

 LMP3クラスは12台のエントリーを集めた。このうち、DKRレーシングのデュケインM30-D08・ニッサン以外はすべて、リジェJS P320・ニッサンでの参戦となる。

 LMGTEクラスには、13台の車両が記載されている。フェラーリ488 GTE Evoが8台と多数派を占め、ポルシェ911 RSR-19が3台、アストンマーティン・バンテージAMRが2台という内訳となっている。

 昨年、ケッセル・レーシングからWECに参戦したCARGUYの木村武史は、同じくケッセルの57号車フェラーリを駆り、今年はELMSに参戦することが明らかとなった。

 木村は当初、自チーム『CARGUY Racing』としてのWEC参戦を目指していたが、2022年WECのシーズンエントリーリストからは漏れていた。

 今回のELMS参戦決定にあたり、木村はCARGUYのSNSのなかで以下のように記している。

「WEC(世界耐久選手権)と同じく参戦希望者が多数いる中で、CARGAR Racingでの参戦は不可能と判断し、パートナーのケッセルレーシングからエントリーを行い参戦枠を得ました!」

「ここからなんとか【LeMans24h】参戦に繋げたいと思います!」

2021年ル・マン24時間レース、木村武史がスコット・アンドリュース、ミケル・イェンセンとともにドライブしたケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evo

 2022年のELMSは、4月のポール・リカールを皮切りに全6戦が予定されている。

 LMEMル・マン・エンデュランス・マネジメントのフレデリック・ルキアンCEOは、次のように述べている。

「2022年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズの42台のグリッドを発表できることを、非常にうれしく思う」

「ル・マン24時間を除いて最大となるLMP2の台数があり、素晴らしいLMP3のエントリーがあり、フェラーリ、ポルシェ、アストンマーティンで若い才能がベストなアマチュアとともに覇を争うLMGTEがある」

「2022年のELMSが、これまでで最高のシーズンになることを約束する。4月にル・カステレ(ポール・リカール)のレースに来てくれることを願う」

 ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長は、次のようにコメントしている。

「2012年の復活以来、チャンピオンシップはますます強力になり、ますます競争は激しくなり、年々人気を博している」

「今年の賞は価値あるものだ。グリッド上には42のチームがあり、100周年を迎える2023年のル・マン24時間レースへの、6つの招待枠を争う。これは魅力的な賞だ。4月にシーズンが始まるのが待ちきれない」

2022年ELMSシーズンエントリーリスト/2月14日版(※PDFが開きます)

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