「あびき」に注意 15~21日大潮 長崎地方気象台

 春にかけて大きな「あびき」(副振動)が発生しやすい時期を迎えた。あびきは海面が数十分周期で上下動を繰り返す現象。大潮の満潮時に発生すると、海面の上下動の幅(全振幅)が小さくても低い土地での浸水や、係留中の船の流出といった被害の恐れがある。長崎地方気象台が注意を呼び掛けている。
 同気象台によると、次の大潮期間は15~21日。あびきは低気圧や前線が九州の南海上を通過する際、東シナ海上の気圧が変化することで発生する。長崎港のように西に開いた湾では、海面の上下動が大きくなりやすいという。全振幅100センチ以上のあびきの発生は、3月をピークに2~4月に多い。
 2019年3月に発生したあびきは大潮の満潮時と重なり、長崎市中心部などで家屋が浸水し道路や線路が冠水、JR長崎線が運休するなどの影響が出た。同気象台は「あびきは予測が難しい。気象台が発表する情報に注意を」と促している。


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