新規参入マクラーレンがカラースキーム公開。他3チームがシーズン2体制を発表/エクストリームE

 この週末となる2月19~20日に“シーズン2”の開幕戦を控えた電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権、エクストリームEに向け、新規参入を果たすマクラーレン・レーシングが、ワンメイク車両『オデッセイ21』のカラースキームを発表した。F1やインディカーと同じラウンチ会場に現れたマシンは、アンスラサイト(無煙炭)の下地にフルロパパイヤとオセアニックブルーが彩られる共通カラーが採用されている。

 また、一足先にクリスティーナ“GZ”ことクリスティーナ・ジャンパオリ・ゾンカの移籍離脱がアナウンスされていたエキサイト・エナジー・レーシングは、新たに地元スウェーデンの国内ラリークロス選手権でクラス王者に輝いた、21歳のクララ・アンダーソン起用を発表。ラリー界の“帝王”カルロス・サインツ率いるアクシオナ|サインツXEチームと、電動ハマーで参戦のチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、それぞれ体制維持で2年目のシーズンに臨むことを決めている。

 新車両規定導入で仕切り直しの機運が高まる2022年のF1シーズンに向け『MCL36』をラウンチしたマクラーレン・レーシングは、同じく2022年の電動オフロード・レーシング・シリーズへの初エントリーに際して、全カテゴリー共通カラーリングと創設者ブルース・マクラーレンへの敬意を表した伝統的なカーナンバー採用を発表した。

 初参戦となるシーズン2で『McLaren MX Extreme E』が掲げる“No.58”は、ブルースが1952年に父親のオースティン7で参戦したニュージーランドのムリワイ・ヒルクライムで最初に使用したナンバーでもある。

 さらに発表会では、1994年にマクラーレンに入社したマーク・グレインのスポーティング・ディレクター就任がアナウンスされた他、提携するマルチマチック社からは、パフォーマンスエンジニアとしてリーナとティーナのゲイド姉妹も姿を見せた。

「初レースを戦うのが待ち切れない気分だね。他のレーシングシリーズと同様に、我々は勝負を通じてさまざまな地形や、世界のこれらの地域が直面する環境問題の観点から、大きな学習体験を得ることになるだろう」と語ったグレイン。

「気候問題への意識を高めるという観点には、我々自身の“再教育”も含まれる。だからこそ、このシリーズでは“予期せぬことを予期する”必要があるだろうね!」

アンスラサイト(無煙炭)の下地に”フルロパパイヤ”と”オセアニックブルー”が彩られる共通カラーを採用したMcLaren Racing(マクラーレン・レーシング)
初年度を戦う男女のドライバーペアとなるエマ・ギルモア(左)とタナー・ファウスト
パフォーマンスエンジニアとしてチームに加わるリーナ(左)とティーナのゲイド姉妹

■「我々の最初のシーズンはエキサイティングなスタートになるはずだ」とグレイン

 すでにマクラーレン・レーシングは初年度を戦う男女のドライバーペアをアナウンスしており、ラリー、ドリフト、スタントなどで世界的に名を馳せるタナー・ファウストと、マクラーレン初の女性レーシングドライバー契約を得た、創設者と同郷のエマ・ギルモアにステアリングを託す。

「タナーとエマというダイナミックで高い成果を上げているドライビングチームがあり、リーナとティーナのゲイド姉妹がクルマの走行をサポートする。彼女たちの実績は語るまでもないだろうが、2名のトップクラス・エンジニアの存在もあり、我々の最初のシーズンはエキサイティングなスタートになるはずだ」

 そして、2021年中盤のイタリア・サルディニア戦直後に開催されたルーキーテストに参加し、光る才能を披露したクララ・アンダーソンは、WorldRX世界ラリークロス経験者でもあるオリバー・ベネットのペアとしてエキサイト・エナジー・レーシングに加入することがアナウンスされた。

「この機会を与えられたことに心からワクワクし、興奮している! チームやオリバーと一緒に戦う、このまったく新しい挑戦を楽しみにしているし、砂漠で“フラットアウト”するのが待ち切れないわ!」と、喜びを語ったアンダーソン。

 その彼女は7歳でレーシングカートを始めると、6年間でスウェーデン、ノルウェー、イタリアのトラックで優勝を記録し、2019年からラリークロスに転向。わずか2年後の2021年には地元スウェーデンの国内選手権で2150クラスにおけるシリーズチャンピオンを獲得し、世界選手権併催の電動ワンメイク・シリーズとなるFIA RX2e選手権にゲスト参戦すると、ファイナル進出を果たして4位フィニッシュを飾る健闘を見せていた。

 また、アクシオナ|サインツXEチームは2022年ダカールラリーに参戦し「4輪のマイレージを稼ぐことができた」と語るライア・サンズと、チームの顔でもあるカルロス・サインツの残留を発表。同じくCGRは北米出身でオフロード界の第一人者でもあるカイル・ルデュックとサラ・プライスのペア継続をアナウンスし、引き続きSEGI TVチップ・ガナッシ・レーシングとして電動『HAMMER』を走らせる。

XITE Energy Racing(エキサイト・エナジー・レーシング)は、新たに地元スウェーデンの国内ラリークロス選手権でクラス王者に輝いた、21歳のクララ・アンダーソン起用を発表
ACCIONA Sainz XE Teamは2022年ダカールラリーに参戦し「4輪のマイレージを稼ぐことができた」と語るライア・サンズと、チームの顔でもあるカルロス・サインツの残留を発表
電動『HAMMER(ハマー)』で参戦のChip Ganassi Racing(チップ・ガナッシ・レーシング/CGR)は、カイル・ルデュックとサラ・プライスのペアを継続する

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