阪神ドラ2鈴木が登板後に悔し涙… 初シート打撃で分かれた新人左腕の明暗

阪神・鈴木勇斗【写真:宮脇広久】

ドラ3・桐敷は最速146キロをマーク、マルテのバットをへし折る場面も

阪神のルーキー左腕2人の“デビュー戦”は明暗が分かれる形となった。15日、沖縄・宜野座での春季キャンプでドラフト2位・鈴木勇斗投手(創価大)、ドラフト3位・桐敷拓馬投手(新潟医療福祉大)が初のシート打撃に登板。鈴木は3連続四球を与えるなど制球難を露呈し、登板後には涙を流す場面もあった。

まずマウンドに上がったのは桐敷だった。打者5人に対し最速146キロの直球とフォーク、ツーシーム、スライダーなど多彩な変化球を操り無安打、1四球と上々の内容。最後の打者となったマルテには内角を厳しく攻めバットをへし折る場面もあった。

自己評価は70点と厳しめだったが、目標の開幕1軍に向け好スタートを切り「コースを間違えなければ打ち取れることも分かったので、自信になった」と手応えを感じている様子。矢野監督からも左右に関係なく内角を突く制球力を評価されたが「投げ込めたのは投げ込めたんですけど……。微妙なズレは多々あったので。そこは次に向けて修正していきたいです」と慢心することなかった。

阪神・桐敷拓馬【写真:宮脇広久】

ドラ2・鈴木は先頭から3連続四球、打者5人に対し21球中16球がボール球

一方、鈴木は課題が明確となった。無安打ながらも先頭の佐藤輝から3連続四球と制球に苦しみ、打者5人に対し3四球、1失点(左犠飛)。21球中16球がボール球と、ほろ苦いデビュー戦となった。

登板後にベンチに戻ると自身の不甲斐なさから悔し涙を見せ「プロに入って初実戦で緊張してしまい頭が真っ白になった。何とかアピールしたかったが、次に生かせるようにしたい」。その後はブルペンに直行し100球を超える投げ込みを行い「力み過ぎてストライクが取れず、体が突っ込んでいた。いい形で終わりたかったので」と、熱のこもった投球を続け巻き返しを誓っていた。

福原投手コーチは2人のルーキーについて「(桐敷は)真っすぐも力強く、全球種でストライクが取れ全体的に良かった。(鈴木は)本人も緊張していたみたい。結果どうこうじゃなく、課題も見つかったと思う」と話すに留めた。

即戦力として期待される桐敷、鈴木は20日・中日戦(宜野座)で対外試合デビューの予定。ルーキーたちの開幕1軍争いにも注目だ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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