飲み会自粛で「ヌン活」 アフタヌーンティー人気、横浜でも コロナ苦境のホテルに好機

横浜ロイヤルパークホテルが入る横浜ランドマークタワーを模したティースタンド

 19世紀に英国貴族の間で広まったとされる喫茶習慣「アフタヌーンティー」が、新型コロナウイルス禍でも盛況だ。数年前から若い女性の間で注目されていたが、感染症の影響で飲み会を自粛する時代の流れと相まってさらに人気に。「ヌン活」という言葉もあるほどだ。客室稼働率の低迷に悩むホテルにとって施設を利用してもらうチャンスでもあり、横浜市内では趣向を凝らしたさまざまなメニューが登場している。

 春の卒業シーズンに合わせ、横浜ロイヤルパークホテル(同市西区)など市内五つのホテルは、着物レンタル・着付けサービスショップ「横濱ハイカラきもの館」を運営する新日屋(東京都)と連携、はかま姿で各ホテルのアフタヌーンティーや周辺の散策が楽しめるプランを発売した。年齢に関係なく誰でも利用でき、価格は1万4500円から(4月28日まで)。

 昨年夏、アフタヌーンティーと浴衣のプレゼントをセットにしたプランを実施したところ、「花火大会が開かれない中、浴衣が着られると好評だった」と同ホテルの担当者。今回の企画は「卒業旅行にもなかなか出掛けられない人たちに、すてきな思い出をつくってほしい」と話す。

 イタリアを代表する自動車ブランド「フィアット」とコラボレーションしたアフタヌーンティーを提供しているのは、新横浜プリンスホテル(同市港北区)。首都圏のプリンスホテルで開催中のイタリアフェアの一環で、フィアットのロゴマークの赤を基調としたイチゴを使ったスイーツが味わえる(4700円、3月31日まで)。

 ブームになる前からアフタヌーンティーを提供しているホテルニューグランド(同市中区)は、「定番から逸脱しない」を重要視。3月からのプラン(5808円)でも3段のティースタンド、スコーンを付けるなど本場の英国式を意識しているといい、担当者は「ニューグランドらしく伝統を重んじるスイーツを召し上がってほしい」とアピールしている。

© 株式会社神奈川新聞社