ナショナルズ・ソト 13年3億5000万ドルの契約延長を拒否していた

「ESPN」のエンリケ・ロハス記者によると、ナショナルズはロックアウト突入前にフアン・ソトに対して13年3億5000万ドルの契約延長をオファーしていたようだ。しかし、ソトと代理人のスコット・ボラスは早期の契約延長よりも年俸調停のプロセスを経て1年ごとに契約を更新していくことを希望。ナショナルズからのオファーには応じなかった。ナショナルズは現在23歳のソトをあと3年保有することができ、ソトは2024年シーズン終了後にFAとなる予定である。

ソトは2018年5月に19歳でメジャーデビューし、116試合に出場して打率.292、22本塁打、70打点、出塁率.406、OPS.923の好成績をマーク。翌年は打率.282、34本塁打、110打点、出塁率.401、OPS.949と着実な成長を見せ、短縮シーズンの2020年は打率、出塁率、長打率、OPSの4部門で両リーグ1位の数字を残した。昨季も打率.313、29本塁打、95打点、出塁率.465、OPS.999と安定した活躍を披露。チームの弱体化とともに勝負を避けられることが増え、四球の数は両リーグ1位の145個に達した。メジャーデビュー以来、出塁率4割を下回ったことがなく、その打撃の完成度の高さからテッド・ウィリアムス(元レッドソックス)と比較されることも多い。

ナショナルズは近年、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグ、パトリック・コービンらと大型契約を結ぶ際に、一部の支払いを先延ばしにしていたが、ソトへの13年契約のオファーには支払いの先延ばしは含まれていなかったという。これはソトへの評価の高さ、そして誠意の表れと言えるだろう。とはいえ、スーパー2対象者として昨季の年俸がすでに850万ドルまで上昇し、今季の年俸は1620万ドル前後と予想されているソトが契約延長に応じなかったのは当然と言える。2024年には年俸調停期間の選手として最高年俸(従来はムーキー・ベッツの2700万ドル)を更新する可能性があり、26歳でFAとなった際には総額4億ドルを超える大型契約を手にすることが確実視されているからだ。

ソトは「ワシントンでキャリアを全うすることを思い描いている」と話しているが、その一方で「2019年に次ぐ2度目のワールドシリーズ制覇を目指したい」とも考えている。昨夏のトレード・デッドラインでチームを解体したナショナルズが今後3年のうちに再び優勝を狙える態勢を整えられないようであれば、ソトは大型契約をオファーした他の強豪チームに流出する可能性が高いのではないだろうか。

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