箱根町のふるさと納税寄付額が過去最大 観光応援で12億円超の見込み 返礼品の宿泊補助券が人気

箱根温泉旅館ホテル協同組合が発行している「箱ぴたふるさと宿泊補助券」=箱根町湯本

 旅館やホテルで使える宿泊補助券などを返礼品にしている箱根町のふるさと納税が好調だ。2021年度の寄付額は前年度比約4億円増の12億7千万円で過去最大となる見通し。新型コロナウイルス禍で宿泊施設が打撃を受ける中でも寄付全体の7割以上の返礼品を宿泊補助券が占め、関係者は「首都圏の箱根ファンや富裕層を中心に根強く支援していただいている」と感謝する。

 町は15年度から旅行業者に委託してふるさと納税の返礼品に宿泊補助券などを導入。14年度には年間約5千万円だった寄付額が15年度は5億円と急増し、20年度までは10億円前後で推移していたが、本年度はさらに大きく伸ばしている。

 21年2月現在「楽天ふるさと納税」などのポータルサイトで、宿泊補助券4種類や工芸品などが選べる。箱根温泉旅館ホテル協同組合が15年から発行する「箱ぴたふるさと宿泊補助券」(2万円相当)は、昨年4月~今年1月末時点で4030枚が発行され、前年同期比約1630枚増。17~19年度はいずれも千枚台だったが急増しており、町財務課は「コロナ禍が長引き、海外旅行が困難になる中、首都圏の個人客中心に箱根の魅力にあらためて気付いていただけているのでは」とみている。

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