引っ越しで損しないために確認すべき細々としたチェックポイント、意外と出費がおさえられるところも

賃貸であっても持ち家であっても、引っ越しはお金がかかります。支出が多いだけでなく、なんらかのトラブルが……となると、対応する気力や労力まで奪われてしまいます。

今回は引っ越しでお金を損しないためにやるべきことを紹介します。


引っ越しするか迷ったときに考えたいこと

転勤などで引っ越しが必須な場合以外でも「そろそろ引っ越そうかな」と思うこともありますよね。「ぼんやりと」「なんとなく」で適当な引っ越しをしてしまうと、万単位のお金がかかるので、後悔しないようにしっかり考えましょう。

引っ越しを迷ったときは、まず今の家への不満と、次の家へ求めることをリスト化していきましょう。先に今の家への不満を書いていくと、次に求めることも見えてきます。

場所、駅からの距離、部屋の広さ、収納、設備、日当たり、買い物などの利便性、治安等々、できる限り自分の希望を明確にしておくことが大切です。次の住まいへ求めることのリストができたら、物件探しをはじめます。

リストを表にして、候補の物件が出る度に自分の希望に対しての点数を書き込んでいきます。自分の各希望に対して何点取れたかで、物件の良し悪しが見えてくるので、冷静になることができます。

賃貸物件で家賃交渉ができるかも?

賃貸は、場合によって家賃の値下げ交渉ができるかもしれません。あくまでも可能性で、大家さんが個人なのか企業なのか、周囲の物件の相場などさまざまな要因によります。

例えば自分が住んでいるマンションの他の部屋が、入居当時よりも価格が下がって募集されていたら、更新時に自分の部屋の値下げ交渉してみるのも一つの手。筆者自身経験があり、毎月の家賃が3,000円安くなったことがあります。たかが3,000円と思われるかもしれませんが、差分を何年も毎月積み立て貯蓄をし、気づいたら驚きの金額になっていました。

退居時のトラブル「敷金」は戻る?戻らない?

賃貸で契約時に支払った敷金。礼金と同じように戻らないものと思っている人もいますが、はじめから諦めてしまっていてはもったいないです。普通の生活をしていて自然にできた汚れや傷の修復は大家さん負担となっています。「普通の生活」という抽象的で分かりづらい部分でもありますが、国土交通省や国民生活センターの例をよく確認し、ケースを覚えておくとよいでしょう。

国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
国民生活センター 相談事例「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」

引っ越し見積もりは相見積もりを必ずしよう

引っ越しを業者に依頼する場合、まず最初にすべきは、見積もりに来てもらう前に不要なものは処分することです。これが本当に重要。引っ越し業者は今ある荷物の量で見積もりを出すので、不要なものは処分してスッキリした状態で見てもらいましょう。そして3~4社は相見積もりを。1社や2社では相場がわかりません。3社の金額が分かれば相場が分かり、値引き交渉の材料になるでしょう。

「IKEAの家具は運べません」という場合も

最近、引っ越しで話題になるのが「IKEAの家具は引っ越し業者に拒否される」ということ。実は筆者も引っ越しの際に、見積もりに来た引越し業者のかたに「IKEAの家具はありますか?」と聞かれました。「あっても運べません」とのことで、IKEAの本棚とテーブルを持っている我が家はその業者と契約しませんでした。

聞かれなかった業者と契約し、無事IKEAの家具を運んでくれました。IKEAの家具は分解が難しく、無理に分解しようとして壊してしまうと困るので、はじめからIKEAの家具には手を出さない業者もあるそうです。幸い筆者宅は本棚もテーブルもIKEAが最初にくれた取扱説明書を持っていたので、念の為わたしました。

「積み切り」契約には注意が必要

引っ越し業者との契約条件の中で「積み切りなら少し安くできますよ」と話があることがあります。積み切りとは1回に積みきった量の荷物だけで、残ったものは運びませんよ、というものです。

もしも積み切りで契約をした場合は、必ず「大きい荷物を先に積んでください」とお願いしましょう。残ってしまったものがダンボール箱程度であれば、自家用車や小さなレンタカーで自力で運ぶことができますが、大きな家具を残されてしまったらそれを自力で運ぶために大きな車をレンタルしなくてはならず本末転倒なことになります。残念ながらこれは若かりし頃の経験談です。

曜日、暦、時間帯で引っ越し料金は変わることも

引っ越しを希望する人が多い土日や大安など良い日は、やはり人気があり、業者によっては高い料金を設定しているところもあります。また朝の一便はスタート時間がはっきり分かりますが、二便はスタート時間がわからないため料金が多少安くなります。しかし本当にわからないので、場合によっては暗くなってから引っ越しが始まることも。時間帯が決まっている場合などは注意が必要です。

壊された、傷つけられたは、遠慮せず引越し業者に

引っ越し業者もプロとはいえ人間です。気をつけていても物を破損してしまったり、壁に穴をあけてしまったりもあります。業者によってははじめから「雑だなぁ」と感じるところがあるのも事実です。

物を壊されてしまったり、建物を傷つけられてしまった場合は遠慮せずに、引っ越し業者に連絡をいれましょう。引っ越し業者も保険に入っているので、対応してもらえます。しかし業者によっては、なかなか対応してくれないところも。その場合も毅然とした態度で直してもらうようリクエストしましょう。対応をしぶる人に交渉するのは労力がいることです。諦めてあとで自分で直そうとすると万単位のお金がかかることもあるので、勇気を出して交渉をおすすめします。

引っ越し後、早いうちに、チェックしましょう。

引っ越し代金をクレジットカードで支払う

数十万単位になる引っ越し料金で、クレジットカードの限度額を超えてしまっても、あらかじめクレジットカード会社に連絡をし、日付と金額と引っ越し料金の支払いである旨を言っておけば、支払える場合があります。

料金が高額になるならなおのこと、クレジットカードで支払いをして少しでもポイントを貯めましょう。

何かとお金がかかる引っ越し。無駄な支払いをしないで済むか否かは、事前に知っている情報によるところが大きいものです。損をしないためにも、ぜひいろいろと情報を仕入れてから引っ越しを検討してください。

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