10年前のコンビニ強盗 横浜地裁で初公判 検察側、男に懲役5年求刑

横浜地裁

 10年前にコンビニエンスストアで現金3万円を奪ったとして、強盗の罪に問われた会社員の男(58)の初公判が18日、横浜地裁(渡辺史朗裁判官)であった。被告は起訴内容を認め、検察側は懲役5年を求刑し、即日結審した。判決の言い渡しは3月3日。

 検察側は論告で、「人通りのない早朝、被告と被害者しかいない店内でカッターナイフを使って脅迫し、売上金を奪い取る態様は危険で粗暴」と指摘。被告は経営していた書店の資金繰りが厳しく自暴自棄になったと述べたが「自己の鬱憤をぶつけ財産的利得まで得ており、動機に酌量の余地はない」と非難した。

 弁護側は「計画性のない偶発的犯行。後悔の念は深く、相当な社会的制裁も受けている」などと執行猶予判決を求めた。

 起訴状などによると、被告は2012年3月2日早朝、藤沢市内のコンビニで、同店の経営者=当時(34)=に対し、カッターナイフの刃先を向けて「さわぐと殺す金だせ!」と書いた紙を示すなどして脅迫、現金3万円を奪ったとされる。21年12月、強盗の疑いで神奈川県警に逮捕された。

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