これはもう“移動式マイルーム”! 本気で市販化を狙う日産のコンセプトカー「キャラバン マイルーム」に注目【ジャパンキャンピングカーショー2022】

2022年2月10日~13日に開催された国内最大級のキャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー2022」には、キャンピングカー以外にも興味深い車両が出展された。そのひとつが「キャラバン MYROOM CONCEPT」だ。

日産 新型キャラバン コンセプトカー「キャラバン MYROOM CONCEPT」[参考出品] [Photo:和田 清志]

「キャラバン MYROOM CONCEPT(マイルーム コンセプト)」の開発コンセプトは「どこでもマイルーム」

クルマっぽさを排除しデザインしたというセカンドシート

新型コロナウィルス流行により、テレワークや外で仕事をする「ワーケーション」というスタイルが一般的になりつつある。ワーケーションにもいろいろなスタイルがあるが、雄大な自然の中に停めたマイカーの中でそれができたらいいな、と思う人も多いだろう。

その希望を叶えてくれそうなコンセプトカーを、日産がジャパンキャンピングカーショー2022に出展した。その名も「キャラバン MYROOM CONCEPT(マイルーム コンセプト)」

コンセプトは、ズバリ車名の通りの「どこでもマイルーム」だ。

振り切ってる! 車内はもはや“お部屋そのもの”だった

「日産 キャラバン MYROOM CONCEPT」(コンセプトカー)の室内

キャンピングカーや車中泊可能なクルマというよりは、部屋を外に運び出してしまったイメージである。

車内と思えないような空間は、「普段の生活の中で、大切な人とお気に入りの場所で過ごす」ためにデザインがされており、さりげなくゆったりとした時間を車内で過ごす楽しみ方を提案している。

デザインと実用性を兼ね備えた設えで、クルマの中っぽさを徹底払拭!

車内とは思えない壁の造作, セカンドシートと共にフラットな床を生み出せる
車内とは思えない壁の造作, セカンドシートと共にフラットな床を生み出せる

完全に部屋のような造作を持つキャンピングカーも存在するが、外観をおおむね残すバンコンバージョンでは、「クルマの中感」を払拭しきれないクルマも多い。

ところがキャラバン MYROOM CONCEPTの車内は、クルマの要素を隠した家具調の各部デザインと、モダンなホテルのような雰囲気により、コンセプト通りの「部屋感」を実現。車中の要素を見せないことは徹底していて、バックドアの裏側も、壁面と同じ処理が施されているほどだ。

ルーフセンターに吊られたボードにはダウンライト、そして左右から照らす間接照明が、落ち着きある柔らかな空間を演出。運転席側のクォーターウィンドウ部には、角材を用いたルーバー状の木材加工が施されているが、これは単なる飾りではなく、収納ボックスなどを自由に引っ掛けることもできる。実用性とデザイン性を両立しているのだ。

収納棚もオシャレな造りだ, ベッドは跳ね上げて壁面にぴったりと収まる設計
収納棚もオシャレな造りだ, ベッドは跳ね上げて壁面にぴったりと収まる設計

前向き・後ろ向きなどいろいろなレイアウトに変化する2列目(セカンド)シートも、ソファーのような仕上がり。

ルーバー最下段から板を引き出せばテーブルが登場し、ゆったりと部屋で過ごしているようなスペースが出現する。運転席と車内を仕切る幕は大型スクリーンに早変わりするので、巨大なベッドに横たわってDVDなどを観るのも楽しそう。なお、このベッドは助手席側に跳ね上げて格納可能である。

単なるショーモデルにあらず!? 市販化に向けた入念なリサーチを実施していた

内装ほどぶっ飛んではいない!?「キャラバン MYROOM CONCEPT」の外観デザイン

外観に大きな変更はなく、アースカラーの車体、黒く塗ったホイール、バンパー&アンダーボディには泥はねをイメージしたラッピングが施されていることが特徴だ。

創意工夫に溢れ、部屋そのものというコンセプトが興味深いキャラバン MYROOM CONCEPTだが、一番の驚きは、なんと市販化も視野に入れていること。会場ではこのクルマに関するアンケートを取り、意見を募っていた。今後の動向に注目したい。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:和田 清志・NISSAN]

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