持続可能な農業へ 清里区の7団体 事業協同組合を設立 人材派遣し人手確保

 清里区内の生産組合、農業振興会など7団体が、区内事業者に農業人材を派遣する協同組合を設立する。高齢化・過疎化が深刻な区内農業の人手不足を解消し、小規模事業者単独では難しい雇用の問題を解決する。

農業労働者の派遣を目的とした組合を立ち上げる、保坂理事長(左から4人目)ら清里区の農業者

 名称は「星の清里協同組合」。4月に法人を設立、6月にも派遣事業を開始する。

 国が人口急減地域を対象に設けた「特定地域づくり事業協同組合」制度を活用し、組合で採用した無期雇用の労働者を事業者に派遣する。制度を活用することで、本来許可制の労働者派遣事業を届け出で行うことができる他、国から人件費・運営費について財政支援を受けることができる。

 同組合は今年、地元を中心に労働者4人を採用する計画で、派遣先で水稲栽培や施設園芸などに従事してもらう考え。来年以降は農業以外の事業者にも加入を呼び掛け、冬など農業の仕事が少ない時期にも、労働者に働く場を確保する方針。

 17日、区内で設立総会が開かれ、発起人となった7団体の代表者が組合設立を承認、役員を選任した。発起人らが経営する水稲栽培面積の合計は300ヘクタールを超え、うち半分程度は大規模経営に向かない中山間地。担い手の高齢化も深刻化している。理事長に就任したグリーンファーム清里の保坂一八社長は「制度を活用し、新たな人材の育成を進めるため、(清里区全体を一つの農場に見立てた)『清里一農場計画』と協同組合事業を推進していきたい」と述べた。

 同制度を活用した組合の設立は、県内では「粟島浦地域づくり協同組合」(粟島浦村)に続き2例目。

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