【新型コロナ】自主療養者の保険請求 神奈川県が証明書発行へ 3月1日から申請受け付け

神奈川県と医療関係者らがオミクロン株への対応を議論した感染症対策協議会=19日午後、県庁

 新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県は19日、医療機関を受診せずに療養する「自主療養者」向けに新たに療養証明書を発行すると明らかにした。自主療養者の中で一定の条件を満たす人を対象にし、新型コロナへの感染に対応する民間保険の請求に使えるようにする。3月1日から申請受け付けを開始する予定。

 自主療養は発熱患者を診療する医療機関の逼迫(ひっぱく)を受け、県が1月28日から始めた制度。新たな療養証明書に基づき、保険金や給付金を支給するかは保険各社の判断になるが、県によると、業界からは前向きな意向が示されているという。

 発行は県内在住者で、療養期間中に無料通信アプリ「LINE(ライン)」などでの健康観察に一定数以上回答しているといった条件を設ける。すでに自主療養した人の申請も認める。

 現状では、医師の診断を受けない自主療養者は感染症法上の感染者として扱われず、民間保険の請求ができなかった。このため、県は金融庁や生命保険協会などと対応を協議していた。

 県はこの日、県内の医療関係者らでつくる感染症対策協議会を開催。オミクロン株の重症化リスクを踏まえ、自宅療養者の中で重点的に健康観察を行う対象者の範囲見直しなどを議論した。

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