南足柄市の中学校敷地内に謎のカーブミラーがあるのですが…。同市に住む看護師の女性(37)から「追う! マイ・カナガワ」取材班に疑問が寄せられた。「鏡部分がなぜか学校側を向いていて用途が分からない」ため、家族で“近所の七不思議”と呼んでいるという。
「学校の敷地内にカーブミラーはありますか?」。記者が電話で切り出すと、同市立岡本中学校(同市塚原)の相原英夫校長は当惑しつつも「ちょっと敷地内を散策してきます」と快く応じてくれた。
しばらくすると、「分かりづらい位置でしたが、確かにありますね」と校長から連絡が入り、記者は同校へ向かった。
体育館と学校の外周を囲うフェンスの角に支柱の先端が曲がったカーブミラーがあった。そして、女性が指摘した通り、ミラー部分は十字路側ではなく、体育館の壁面に向いている。
記者がその十字路を実際に乗用車で通行してみると、すれ違えないほどの狭い道幅だ。徐行しながら左折しようとカーブミラーをのぞいてみた。すると…。
記者が運転席からミラーをのぞくと、意外にも十字路の先の死角がわずかに映り込んでいた。歩行者からは見えづらいが、ミラーは絶妙な角度で役割を果たしているのだ。
「生徒が通学したり、敷地外周を走ったりすることを考えて、安全のために付けられたのでしょうか。でも、なぜこの場所を選んだのか不思議ですね」と相原校長。普段は目に付きづらい場所にあるミラーの存在は、ほかの先生たちも意識していなかったという。
近くで自動車整備をしていた男性(50)に声を掛けると、毎年ボランティアで地域のカーブミラーを磨いているといい、「学校内のミラーは珍しい。もっと適切な設置場所があったのでは」と首をかしげた。