【追う!マイ・カナガワ】南足柄・謎のカーブミラー(下) ネット上の公開画像をたどってみると

中学校の敷地内にあるカーブミラー=南足柄市塚原

 南足柄市の中学校敷地内に謎のカーブミラーがあるのですが…。同市に住む看護師の女性(37)から「追う! マイ・カナガワ」取材班に疑問が寄せられた。「鏡部分がなぜか学校側を向いていて用途が分からない」ため、家族で“近所の七不思議”と呼んでいるという。

 カーブミラーを設置、管理している南足柄市都市整備課に事情を聴いてみた。

 矢後護課長補佐によると、ミラーの形状から「設置は比較的最近ではないか」というものの、設置時期や経緯は不明だった。カーブミラーは私有地を借りて設置するケースもあるが、この場所は記録が残っていないという。

 設置時の様子を知る人を探そうと現場に戻り、周辺住宅を当たった。長年住んでいる人だったら経緯を知っているかもしれない。

 すぐ近くに住む女性は「7年前に引っ越してきた当時から学校敷地内にあったと思う」と言うが、別の女性は「前は学校向かい側の住宅の駐車場に設置されていたような…」と、8年以上前に越してきた当時の記憶をたどってくれた。

 7年前と8年前の間に何かがあったという重要な情報をつかんだ直後、矢後課長補佐から連絡があった。

 インターネット上に公開されている十字路付近の「Googleストリートビュー」の画像をたどったところ、「2014年には十字路の住宅側に設置されていたカーブミラーが、15年に学校敷地内へ移動している」というのだ。

 14年にはなかった住宅のブロック塀が15年には設置されており、「住宅の出入りの邪魔にならないよう、学校敷地内に移された可能性が高い」ということが判明。近所でも「当時の住人が引っ越す間際に住宅周辺を改装していた。駐車の障害になるから移動させたのかも」という話を聞くことができた。

◆取材班から

 依頼主の女性に推測されるカーブミラー設置の経緯を伝えると、「普段は徒歩で通っていたから気付かなかった。意味があるものだったんですね」と驚いていた。もう七不思議ではなくなってしまったが、ミラーに改めて着目し、道路の安全を考える良い機会になった。

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