大村の風景 音楽から感じて 出身のテノール歌手、ピアニスト 市制施行80周年で歌、演奏収録

曲の収録に臨む辻さん(右)と安部さん=大村市、シーハットおおむら

 今年で市制施行80周年を迎えた長崎県大村市出身で、国際舞台で活躍するテノール歌手、辻政嗣さん(45)=ドイツ・ベルリン在住=とピアニスト、安部まりあさん(33)=同市在住=の2人がこのほど、記念事業の一環で歌と演奏の収録に臨んだ。
 2人は共に市立放虎原小、桜が原中出身。本来は10日予定されていた記念式典で曲を披露する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で式典が3月24日に延期。このため曲を映像で収録し、式典で同市出身の著名人からのメッセージと合わせて流すことになった。式典後は市の公式ユーチューブチャンネルでも配信する。
 10日、幸町のシーハットおおむらさくらホールで、ドイツロマン派の作曲家、メンデルスゾーンの「歌の翼に」や日本を代表する作曲家、武満徹の「翼」など計6曲を収録。ホールには安部さんの演奏に合わせ、辻さんの力強い歌声が響いていた。
 辻さんは「希望やふるさとへの憧れ、風景、賛美などさまざまなメッセージを込めた。コロナ禍の中、音楽を聴くことで少しでも心が温かくなってもらえれば」、安部さんは「大村は小さな町だが、のびのびとした環境でスポーツ選手や文化人も多く輩出している。ここから世界で活躍する演奏家がもっと増えれば」とそれぞれ話した。


© 株式会社長崎新聞社