GT500での戦いに挑むau TOM’S GR Supraのアレジ「チャンピオンカーだけに責任も感じてる」

 2022年のスーパーGT開幕に向け各チームの陣容が明らかになり、すでにGT500クラスでは多くのテストが進んでいる。今季、15台30名のドライバーのなかで、GT500クラスにフルシーズンデビューとなるのが阪口晴南(スポットの経験はあり)、そしてチャンピオンカーのau TOM’S GR Supraで参戦するジュリアーノ・アレジのふたりだ。2022年、GT500レースデビューとなるアレジにここまでのテスト、そして開幕に向けて聞いた。

 アレジは2021年、日本での活動を求めて全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権、スーパーGT GT300クラスに参戦した。さらに中嶋一貴のWEC世界耐久選手権の際の代役として全日本スーパーフォーミュラ選手権にスポット参戦。第3戦オートポリスでは優勝を飾ったほか、スーパー耐久にもスポット参戦するなど、ヨーロッパで戦っていた頃とは比較にならないほど、レーシングカーをドライブし続ける濃密な一年を過ごした。

 迎える2022年、アレジはTGR TEAM au TOM’SからスーパーGT GT500クラスに、そしてスーパーフォーミュラではKuo VANTELIN TEAM TOM’Sから挑む。すでにスーパーGTではテストでau TOM’S GR Supraをドライブしている。

「みんな知っているメンバーだからね。すぐに溶けこむことができているよ。クルマやタイヤ、エンジニアも違うし、技術面ではゼロからのスタートになるけど、そういう状況のなかで知っている顔ぶれのチームのなかで学べるから、慣れるのが早いよね」とアレジは2021年から所属してる慣れ親しんだチームから両シリーズを戦う一年のメリットを語った。

 そして、すでにドライブしているGRスープラの印象を聞くと「サイコー(笑)」と笑顔をみせたアレジ。「クルマも最高だし、タイヤも最高だよ! こんなクルマをドライブできるからには、頑張らないといけないよね。今はまず、セッティングなど深くいじらずに、クルマについてドライビングなどをしっかり慣れたいと思っているよ」とGT500の初シーズンに向けて語った。

 そんなシーズン、チームメイトとなるのはチャンピオンドライバーのひとりである坪井翔だ。これまでテストの際には、坪井と食事もともにして交流も深めてきたというが、「すごくいい人。これまでのテストのなかで僕が分からないことを手伝ってくれているし、すごく良い関係が築けているよ」とアレジ。

「難しいのは、僕の日本語(苦笑)。まだペラペラじゃないから坪井サンには少し申し訳ないけどね。それ以外は大丈夫」

 2021年は開幕から「今年は勉強の年」と言いながらも、スーパーフォーミュラでの初優勝、スーパーフォーミュラ・ライツでも同点でのランキング2位と、結果も残してきた。2022年に向けては、まだまだ学ぶことが多いとしつつも、同時にスーパーGTでは“責任”も感じているという。

「スーパーフォーミュラは2021年にも少し経験があるからね。でも、富士での経験がないし、今年はフルシーズンでの参戦だから、僕にとってはまだ学ぶことが多いし、それに集中していきたい。でもスーパーGTの場合は、サーキットはすべて知っているけれど、クルマもタイヤはこれから学ばなければいけないし、たくさん覚えなければいけない。頑張りたいよ」

「でもそうは言っても、チャンピオンカーだからね! 責任も感じてる。嬉しい気持ちもあるけど、プッシュしていかないといけない。だから今は少しずつ限界を探っているところなんだ」

 日本での活動初年度となった2021年は、それぞれのフィールドで光る走り、結果を残してきた。GT500というメーカー、チームの威信を背負って戦う舞台で、どんな活躍をみせてくれるだろうか。

富士スピードウェイを走るジュリアーノ・アレジ駆るau TOM’S GR Supra
富士スピードウェイを走るジュリアーノ・アレジ駆るau TOM’S GR Supra

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