波佐見町の「陶箱クッキー」 サステナアワードで消費者庁長官賞 地域内循環をアピール

消費者庁長官賞を受賞した波佐見町の動画の一場面

 食と農林水産業に関わるサステナブル(持続可能)な取り組みを紹介した動画を表彰する「サステナアワード2021」で、長崎県東彼波佐見町が制作した「半農半陶の里 長崎県波佐見町の地域内循環の取り組み」が消費者庁長官賞に選ばれた。波佐見焼の製造工程で発生する産業廃棄物のリサイクルを取り入れた商品「波佐見陶箱クッキー」を取り上げている。
 同アワードは、農林水産省、環境省、消費者庁が連携して持続可能な開発目標(SDGs)の達成に資する活動を推進するプロジェクトの一環。全国92点の応募作品から、農林水産大臣賞、環境大臣賞と並ぶ上位受賞作に選ばれた。
 陶箱クッキーは、町内産の米粉で作ったクッキーを波佐見焼の陶箱に詰め合わせた土産品で、町と町観光協会が共同で開発した。昨年3月に発売し、毎週約50個の販売分は全て売り切れる人気商品になった。
 波佐見焼の製造過程で発生する廃石こう型を土壌改良材として米の栽培に用いることで、産地の長年の課題だった産業廃棄物の再利用モデルを構築した。動画には、窯業関係者や米の生産者、クッキーを作る町内の主婦らが登場。「オール波佐見で取り組む地域内循環」とPRしている。
 動画は農林水産省や波佐見町のユーチューブチャンネルで視聴できる。町では長尺版も新たに制作し、公開予定。町商工観光課の澤田健一課長は「商品の背景にあるストーリーを評価してもらえた。廃石こう型の活用方法は今後もさまざまな形を模索していきたい」と話している。


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