アルボン、ウイリアムズF1では元ラッセル担当のエンジニアらと協力「彼らの仕事のやり方を学んでいる」

 テストドライバーとしてレッドブルで1年を過ごし、ウイリアムズからF1に復帰するアレクサンダー・アルボンは、親友ジョージ・ラッセルの後任となる。チーム代表のヨースト・カピートはアルボンを力強くサポートし、メルセデスのトト・ウォルフ代表がオランダ出身のニック・デ・フリースを強く推薦してもアルボンを選んだのだった。

 アルボンはラッセルと親しく、ラッセルがカピートに対し自身の後任にアルボンを採用するよう提言していた。そのためアルボンは、今後協力していくエンジニアリングチームと友好的なスタートを切ることができた。また好青年で知られるアルボンは、この3年間ラッセルと仕事をしていた人たちが自分のガレージにそのまま残っていることを知って非常に喜んだ。

「ドライバーとして新チームに入って最初にやることは、一番にはエンジニアリングチームの人たちと親しくなることだ。ドライバーに最も近い人たちだからね。僕はジョージの側のガレージで仕事をするから、彼らやジョージの仕事のやり方を知るようにしている。チーム全体の方針を理解することはとても重要だと思う」

 アルボンは、ウイリアムズの2022年型新マシン『FW44』と、彼がシミュレーターで開発を手伝ったレッドブル新車『RB18』の間にどれだけ違いがあるか尋ねられると、次のように説明した。

「シェイクダウンを行うまではシミュレーターでしか走行していないけれど、マシンの感触は全然違う。レッドブルでうまくいっていたことがここではうまくいかないこともあるし、その逆の場合もある。そうした面を理解することが、僕にとって重要だ。慣れるには少し時間がかかると思う。試行錯誤や、相性、スタッフとの会話、何がうまくいくかとか、そういったことを通じてね。それに加えて、僕がチームに対して高い優先事項を持って取り組むことは、できる限りチームをグリッドの上へと引き上げていくようにすることだ」

2022年用18インチF1タイヤテスト(シルバーストン) アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 アルボンはテスト兼シミュレータードライバーとして過ごした1年は無駄ではなかったと考えている。レッドブルのエンジニアリングチームと緊密に仕事をしたことで、アルボンはより成長したドライバーになったという。

「開発の点では、昨年は当時のマシン開発の経験を積むことができたと感じている。ファクトリーの担当者とやり取りして、マシンの限界を伝えた。もちろん今もシミュレーターを操作するし、いくつか変わったこともあるけれど、彼らと緊密に仕事をしている。ひとりの個人ではなく、レースチームとしてだ。当然だけど実際にマシンの限界は存在するから、それを彼らに伝えて改善し、次のことに取り掛かることになる」

 アルボンは2018年のFIA-F2時代にチームメイトだったニコラス・ラティフィと再びタッグを組み、ウイリアムズのエースドライバーであったラッセルの役割を引き継ぐことになるだろう。またアルボンは、F1ドライバーとしての自分の将来は2022年のパフォーマンスに大きくかかっていることを承知しているので、F1での3年目となる今年はプレッシャーがかるはずだ。

『FW44』発表イベントに参加したヨースト・カピート代表、ニコラス・ラティフィ、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
アレクサンダー・アルボンがシルバーストンでウイリアムズF1の新車『FW44』をシェイクダウン

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