中五島高が新上五島町に寄付 模擬会社の利益で作製した絵本、車いすなど

寄付に訪れた平山さん(前列左から2人目)ら中五島高の生徒ら=新上五島町役場(同校提供)

 長崎県新上五島町宿ノ浦郷の県立中五島高(岡田一幸校長、74人)は18日、ビジネスキャリアコースの生徒が運営した模擬会社の利益で作製した絵本や車いす、寄付金を町に贈呈した。
 同コースでは昨年度からビジネスの実行力と地域活性化を担う力を身に付けるため、3年生が模擬会社を設立し、商品の企画、販売などを体験学習している。昨年度は町内の高齢者施設にマスクを、民間の宿泊施設約60カ所に自動噴射式消毒液ボトルを贈るなど地域に利益を還元した。
 今回贈った絵本は昨年度の1期生が発案していたもの。次の3期生(現在の2年生)が子どもへの読み聞かせに活用していく予定。上五島の自然の魅力を伝える内容となっており、町内の学校や図書館などにも配布してもらう。
 役場を訪れた模擬会社「飛楽(ひらく)」社長の平山飛鳥さん(18)は「車いすと寄付金は観光や地域のために役立ててほしい。絵本は、環境を大切にする心が子どもたちに伝わることを願う」と話し、石田信明町長と山本元之教育長に手渡した。石田町長は「絵本は良く出来ている。全部、町のために活用していく」と謝辞を述べた。


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