早春の彩り 長崎県内各地で「桜」咲き誇る 

県道沿いで咲き誇る河津桜=五島市奥浦町

◎河津桜 鮮やか 五島・奥浦

 長崎県五島市奥浦町の県道沿いなどで、早咲きの河津桜が見ごろを迎えている。
 近くの会社役員、浦藤彦さん(75)によると、約20年前に市立奥浦小、奥浦中の卒業記念で、保護者や地域住民が約100本を植樹。その後も、町内会や老人会などの地域住民が大島桜やソメイヨシノなど種類を増やしながら数百本を一帯に植えている。河津桜を皮切りに4月上旬ごろまで桜を楽しめるという。
 市民が散歩やドライブに訪れている。親子孫3世代で散策した市内の女性(28)は「一足早く春を感じられる場所。ピンクの花びらが映えてきれい」と話した。

◎ヒカンザクラ 見ごろ 国見・神代小路

 国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている雲仙市国見町の神代小路(こうじろくうじ)地区で、ヒカンザクラの花が開き始め、風情ある武家町に彩りを添えている。
 ヒカンザクラは赤色の花びらが下向きに咲くのが特徴。国の重要文化財、旧鍋島家住宅(鍋島邸)の庭にあるシンボルツリーは咲き始めが早く、見物客がめでたり、写真に収めたりして楽しんでいる。島原市内から訪れた女性会社員(54)は「屋敷も花も趣があって、気持ちが和む」と満足そうに話した。
 地区内には約60本のヒカンザクラが植樹されている。開花時期は木によってばらつきがあり、見ごろは毎年3月上旬ごろまで続く。地域住民が開催してきた「緋寒桜(ひかんざくら)の郷(さと)まつり」は新型コロナ禍のため中止となった。

見ごろとなった鍋島邸のヒカンザクラ=雲仙市国見町

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