選手会が対案を提示するも目立った進展なし 月末まで毎日交渉へ

日本時間2月23日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は前日に続いて2日連続の労使交渉を行い、選手会がいくつかの重要な問題について対案を提示した。選手会は今回の対案のなかで「スーパー2の資格」と「メジャー最低保証年俸」についての要望を修正。また、「ドラフト上位指名権の抽選制度」について若干の譲歩を見せた。しかし、ぜいたく税など他の重要項目についての議論は行われず、全体として目立った進展はなかった。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者によると、月末まで毎日交渉が行われる予定だという。

選手会は当初、サービスタイム2年以上3年未満の選手全員(100%)に年俸調停権を与えることを求めていたが、前回の対案でこれを80%に引き下げた。そして、今回の対案では75%に修正。しかし、機構側は「スーパー2」の対象者を拡大することに応じるつもりはなく、旧労使協定の22%を維持する方針を貫いている。選手会が徐々に歩み寄りを見せているものの、両者の溝が埋まる気配は見られない。

また、選手会は「スーパー2の資格」について譲歩を見せる一方で、メジャー最低保証年俸についての希望額を引き上げた。前回の対案では今後5年間のメジャー最低保証年俸を77万5000ドルで統一することを求めていたが、今回の対案では77万5000ドルからスタートして毎年3万ドルずつ増額することを要求。よって、2026年には89万5000ドルとなる。機構側はこれを大きく下回る金額を提示しており、選手会が要求を引き上げたことに失望しているという。

さらに、選手会は「ドラフト上位指名権の抽選制度」について、これまでは全体1~8位の指名権を抽選対象にすることを求めていたが、これを全体1~7位に修正した。機構側の最新の提案では全体1~4位が抽選対象となっており、選手会が若干の譲歩を見せた形となる。

なお、選手会はぜいたく税についての新たな提案を行わず、機構側の譲歩を待つ姿勢を崩していない。しかし、機構側はぜいたく税に関して「次は選手会が動く番である」と考えており、現時点ではさらなる歩み寄りをするつもりはないようだ。ぜいたく税についての両者の意見には大きな隔たりがあり、この問題が進展しない限り、労使交渉が合意に至ることはないだろう。

選手会が提示した今回の対案に失望した機構側は、改めて連邦調停局からの支援を得ることを提案したものの、選手会はこれを拒否したことが報じられている。レギュラーシーズンを予定通りに開催するための交渉デッドラインである現地時間2月28日(日本時間3月1日)まで毎日交渉が行われる予定だが、この2日間の交渉で目立った進展は見られない。デッドラインまであと6日、無事に交渉を合意させることはできるのだろうか。

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