「障がい者として生まれてきても幸せ」 東京パラ車いすバスケ銀 鳥海連志が自伝「異なれ」出版 

「異なれ 東京パラリンピック車いすバスケ銀メダリストの限界を超える思考」

 昨夏の東京パラリンピック車いすバスケットボール男子日本代表のガードで、チーム初となる銀メダル獲得に貢献した鳥海連志(WOWOW、長崎市出身)の自伝「異(こと)なれ 東京パラリンピック車いすバスケ銀メダリストの限界を超える思考」がワニブックスから出版される。28日発売。
 鳥海は冒頭で「1999年2月2日。長崎市で僕は生まれた。世間でいう障がい者として。ただひとつ言っておくと、障がい者として生まれてきても幸せだ」と断言。自らを「障がいのある人間が自分の障がいに見向きもせず、ただ友達と遊びたい、体を目いっぱい動かしたい、バスケットがしたい-そうやって自分が楽しそうだなと思う方向に歩いて生きてきた」と紹介している。
 全編を通して内容は前向き。ハンディがあっても「乗り越えられる方法」を一緒に探してくれた両親や周囲に感謝しながら、過去と現在の自分と向き合い、自らがどんな人間なのか、どんな思考なのかを「40個の言葉」にまとめている。
 現在23歳の鳥海は手脚に先天性の障害があり、3歳で両脚を切断した。競技は大崎中1年から佐世保WBCで始め、2015年に日本代表入り。16年リオデジャネイロパラにチーム最年少の17歳で出場した。21年東京パラでは攻守でチームをけん引。国際車いすバスケットボール連盟から大会MVPに選ばれた。


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