長崎県西海市は22日、東京パラリンピック車いすバスケットボールで銀メダルを獲得した市立大崎中、県立大崎高(いずれも同市大島町)出身の鳥海連志さん(23)=WOWOW=に初の市民栄誉賞を授与した。
鳥海さんは長崎市出身。西海市立大崎中1年時に車いすバスケットを始め、2016年リオデジャネイロパラにチーム最年少の17歳で出場。東京パラでは攻守でチームをけん引。同種目の大会MVPに選ばれた。
大崎中(113人、岩﨑千登世校長)体育館であった表彰式には生徒や来賓ら約150人が出席。鳥海さんの講話や全生徒が銀メダルに触れる機会も設けられ、インターネットで市内全小中学校に配信された。
杉澤泰彦市長は「闘志あふれるプレーは市民に深い感動と夢と希望を与え、未来を担う子どもたちの目標として光り輝いている」とたたえ、鳥海さんに賞状を手渡した。
鳥海さんは講話で中学時代を振り返り「勉強はできなくても友達は多かった。今でも友達やチームメート、先輩に支えられバスケットに向き合えている。熱意、やる気、そして友達を大切に」と呼び掛けた。
市民栄誉賞は鳥海さんの活躍を受け、昨年12月に創設した。
◎生徒との一問一答 相手を気にかけることが大切
鳥海さんは講話後、生徒の質問に答え今後の目標などを語った。主な一問一答は次の通り。
-今後の夢や目標は
今年は二つの大きな大会がある。U23世界選手権で金。ナショナルカテゴリーの世界選手権でメダル獲得を目指す。そして2024年のパリパラで(東京に続き)メダルを獲得したい。ヨーロッパのプロリーグで「日本代表」ではなく一選手として、どれだけ通用するのかチャレンジしたいと思っている。
-大事にしている言葉を教えてください。
「優れるな、異なれ」。バスケットではスピードでナンバーワンになるよりも自分らしいプレー、キャラクターを持つことを大切にしている。私生活でも人とは違う魅力を出したいと常に考えている。
-運動部の主将として、チームを引っ張るにはどうしたらいいか。
まず誰よりも練習する。同時に準備、片付けを誰よりもやる。そしてリーダーシップを発揮するためには周りをよく見て声をかける、相手を気にかけることがとても大切。僕も日本代表の副キャプテンとしてリーダーシップを発揮していかなくてはならない。一緒に頑張りましょう。