小田原の海の幸、豊かに育って サザエ・アワビの稚貝放流

沖合に放流されるサザエの稚貝=小田原市

 漁業資源を保護する栽培漁業を進めるため、小田原市漁業協同組合は24日、サザエとアワビの稚貝を相模湾の沖合に放流した。サザエは2年ほど、アワビは3年ほどで漁獲サイズまで成長するという。

 稚貝の放流は20年以上続けられ、この日は市漁協刺網部会の漁師らが早川や江之浦などの沖合4カ所に漁船の上からサザエ1万7千個を放流。アワビ4万7500個も漁師らが海に潜って海底に放した。

 小田原近海では2019年秋の台風19号の影響から海底の海藻の育成環境が悪化し、アワビの漁獲量も大きく減少。市漁協は今後、海藻の育成にも取り組むといい、刺網部の鈴木喜一副部会長は「アワビは10年前と比べて漁獲量も半分くらいまで減った。海の資源が枯渇しないよう長く続けていくことが重要」と訴えた。

© 株式会社神奈川新聞社