4日連続の交渉も目立った進展なし デッドラインまで残り4日

日本時間2月25日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は4日連続となる労使交渉を行ったが、数日以内の合意を期待させるような目立った動きはなかった。今日の交渉では選手会が「サービスタイム操作対策」と「ドラフト上位指名権の抽選制度」について新たな提案をしたが、ぜいたく税、最低保証年俸、年俸調停権といった主要項目についての議論は行われなかったという。機構側は日本時間3月1日を交渉のデッドラインに設定しているが、162試合制のレギュラーシーズンが開催される可能性は日を追うごとに低くなっている。

選手会は過去5年間にサービスタイム操作の犠牲となったと思われる29人の選手に対して1年分のサービスタイムを付与することを求めていたが、今日の交渉ではこの人数を20人に減らした。また、ルーキーの「サービスタイム操作対策」として内野手・捕手・指名打者はポジション別のWARランキングでトップ5、外野手・先発投手・救援投手は同トップ15に入った場合に1年分のサービスタイムを獲得できることを提案している(これまではトップ7とトップ20を希望していたが、少し譲歩した)。

選手会はさらに、新人王投票5位以内、オールMLBチーム選出、最優秀リリーバー賞投票3位以内のルーキーにも1年分のサービスタイムを付与することを希望。しかし、機構側は選手にサービスタイムを与えるのではなく、好成績を残したルーキーがいる球団に追加のドラフト指名権を与えるシステムを提案しており、意見が分かれている。

「MLBトレード・ルーマーズ」によると、「ドラフト上位指名権の抽選制度」については、ポストシーズンに進出できなかった全球団に全体1位指名権を獲得できる可能性があるシステムが提案されたようだ。ただし、連続して下位に低迷している球団が連続して上位指名権を獲得することがないよう、調整を加えることも提案されているという(3年連続で勝率ワースト8位以内の場合は全体10位より早く指名できない、など)。機構側は全体4位までの指名権を抽選対象とすることを提案しており、この点でも両者の意見には大きな隔たりがある。

「ボストン・グローブ」のマイケル・シルバーマン記者によると、「選手会は両者の意見が大きく乖離していることに動揺している」という。その一方で、「機構側の交渉担当者はすでにアイデアが尽きていること、オーナーたちが選手会に対して腹を立てていることを選手会に対して伝えた」ようだ。こうした状況のなか、「MLBトレード・ルーマーズ」は「両者の意見の大きな隔たりを考えると、デッドラインまでに完全合意するどころか、新しい労使協定の全体像が見えてくる気配すら感じられない」と記している。

© MLB Advanced Media, LP.