田植え備え用水路清掃 新富・西河原水利組合

ヘッドライトの明かりを頼りに真っ暗な隧道内を進む組合員ら

 新富町新田の農家らでつくる「西河原水利組合」(押川博司組合長、60戸)は20日、3月末から始まる田植えに備え、用水路を清掃した。150年以上使われている隧道(ずいどう)もあり、組合員ら約30人が、ショベルカーやスコップを使い土砂の除去作業などに汗を流した。
 同組合は、航空自衛隊新田原基地の西側にある藤山ため池などから約65ヘクタールの田畑へ取水している。岩盤をくりぬき造られた隧道は、町史によると一ツ瀬川に金丸堰(ぜき)を築いた金丸惣八が携わり、1866(慶応2)年10月~67年3月に築造。長さは約630メートルで、のみの跡が今も岩肌に残っている。
 ヘッドライトを着けた組合員たちは、高さ約140センチの真っ暗な隧道内を腰をかがめながら進み、底にたまった土砂を外にかき出した。天井部分が崩落した所もあり、邪魔にならないよう、崩れた岩を端に積み上げていった。
 押川組合長は「隧道が詰まったら田植えに支障を及ぼしてしまう。先人たちの苦労に敬意を払い、今後も大切にしていきたい」と話していた。

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