壬生町は25日、国民健康保険(国保)の資格がなくなったにもかかわらず国保の保険証を使っていた受診者348人分の医療費597万3659円の返還請求権を放棄すると発表した。職員の請求事務の遅れが原因で、請求権が消滅したという。
28日から開かれる町議会定例会に「医療費の返還請求権の放棄について」の議案を提出し、可決後に不納欠損処理を行う。
国保は社会保険などへの加入や町外への転出によって加入資格が喪失する。町住民課の説明によると、資格喪失した人が国保の保険証を使って受診した場合、町が医療機関を通して正しい保険で請求し直すよう要請し、是正されない場合は町が受診者本人に対し5年以内に請求することになっている。
返還請求権を放棄するのは、2016年9月~19年3月の資格喪失後受診分。町から受診者への請求権が時効となった分に、受診者から加入保険への請求権(2年)が時効になった分を加えた。
町は「町民の皆さまにご迷惑とご負担を掛けたことを深くおわびします」としている。