6日連続で交渉が行われるも状況は悪化 残り2日での合意は絶望的か

日本時間2月27日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会は6日連続となる労使交渉を行った。選手会が複数の主要経済問題に対処する「包括的な新提案」を行い、譲歩する姿勢を見せたものの、オーナー側はこれに満足しないどころか、選手会を激怒させ、話し合いのムードを敵対的なものにしてしまったという。「ワシントン・ポスト」のチェルシー・ジェーンズ記者によると、選手会は今後の話し合いに参加せず、交渉を打ち切ることも検討したようだ。明日も7日連続となる労使交渉が予定されているが、今月末までの合意は難しそうだ。

選手会はまず「スーパー2」の対象者拡大について、サービスタイム2年以上3年未満の選手の75%という要求を35%まで引き下げた。当初は100%を要求していたため、そこから大幅に譲歩したことになるが、オーナー側に対象者拡大の意思はなく(旧労使協定では22%だった)、選手会の要求を断固拒否している。その姿勢は選手会が大幅な譲歩を見せた今回も変わらなかった。

これと同様に、オーナー側は収益分配システムの見直しも一貫して拒否している。選手会は当初、収益分配資金の1億ドルの削減を求めたが、3000万ドルまで要求を引き下げていた。今日の提案ではさらに変更が加えられ、選手会が譲歩を見せたものの、オーナー側はその案すら拒否し、選手会の譲歩に応えようとしなかった。

ぜいたく税については、選手会が各年のペイロール上限について、2022年2億4500万ドル、2023年2億5000万ドル、2024年2億5700万ドル、2025年2億6400万ドル、2026年2億7300万ドルを提案。一方、オーナー側は2022年2億1400万ドル、2023年2億1500万ドル、2024年2億1600万ドル、2025年2億1800万ドル、2026年2億2200万ドルを提示し、双方の希望額には依然として大きな開きがある。機構側は上限超過の際のペナルティ税率を引き下げることで譲歩したものの、旧労使協定と比較して罰則が強化されており、選手会は反発している。

他にも「サービスタイム操作対策」などのテーマで意見が分かれており、楽観視されていた「ドラフト上位指名権の抽選制度」についても進展はなかった。唯一、双方が合意したのは1人の選手をマイナーリーグへオプション(降格)できる回数を1シーズン5度までに制限することだけだった。

6日連続で話し合いが行われたにもかかわらず、労使交渉は全体として目立った進展を見せていない。162試合制のレギュラーシーズンを開催するためのデッドラインとしてオーナー側が定めた日本時間3月1日まで残り2日。このままでは予定通りのシーズン開幕を迎えることはできず、オープン戦に続いてレギュラーシーズンの試合も失われることになるだろう。

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