ポストシーズン拡大 選手会は地区優勝で1勝アドバンテージ提案か

難航する労使交渉のなかで、議題の1つとなっているがポストシーズンの出場枠拡大だ。現行の制度では各リーグから5球団(地区優勝3球団とワイルドカード2球団)、合計10球団がポストシーズンに出場しているが、メジャーリーグ機構はこれを14球団に拡大することを希望。一方、メジャーリーグ選手会は12球団を提案している。また、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、選手会は地区優勝した球団へのアドバンテージが不十分であることを懸念し、最初のラウンドで1勝のアドバンテージを与えることを提案しているという。

ポストシーズンの出場枠を拡大することは、より多くの球団にポストシーズン進出のチャンスが生まれることを意味するため、放映権や入場料による収入増のみならず、タンキング抑制にも効果があると考えられている。しかし、選手会はポストシーズンの出場枠が増えることでポストシーズン進出の難易度が下がり、各球団が積極的な戦力補強を行わなくなることを懸念しているようだ。そこで、地区優勝した球団にアドバンテージを与え、地区優勝の価値を高めることで、地区優勝を目指すための投資を活性化させようというわけだ。

たとえば、機構側が提案する14球団のプランでは、各リーグの最高勝率球団のみが自動的に地区シリーズへ進出し、残りの12球団は最初のラウンドであるワイルドカード・シリーズを戦う。各リーグの最高勝率球団を除く地区優勝4球団にはワイルドカード・シリーズの全試合をホームで開催し、なおかつワイルドカード球団のなかから対戦相手を選べるというアドバンテージが与えられる予定だが、選手会はこれらに加え、さらに1勝のアドバンテージを与えることを希望している。

選手会が提案する12球団のプランでは、地区優勝した球団のうち、各リーグの勝率上位2球団が自動的に地区シリーズへ進出し、残りの地区優勝2球団とワイルドカード6球団でワイルドカード・シリーズを戦うことが予想される。ローゼンタール記者によると、選手会は出場枠が12球団であるか14球団であるかに関係なく、地区優勝した球団に最初のラウンド(=ワイルドカード・シリーズ)で1勝のアドバンテージを与えることを提案しているようだ。

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