美術史は書き換えられるのか? 画家ヒルマ・アフ・クリントに迫る 「見えるもの、その先に」予告編

スウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリントを追ったドキュメンタリー映画「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」の劇場公開日が4月9日に決まり、予告編が公開された。

ヒルマ・アフ・クリントは、1862年にスウェーデンで生まれた画家。王立美術院で学び、伝統的な絵画で成功を収めたが、妹の死などによって神秘主義に傾倒し、独創的な絵画を手掛けるようになる。その独創性は同じ思想を持つ4人の女性芸術家と結成した「5人」の活動や、ルドルフ・シュタイナーとの出会いで、輝きを増していく。しかし、同時代の画家たちが新たな芸術作品を発表する中、彼女は自身の革新的な作品を世に出さず、自分の死後20年間は公表を禁じてこの世を去った。

「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」では、自身の死後20年は作品を公表しないよう言い残して世を去り、美術史からも拒絶されていた彼女の謎に包まれたその生涯や、彼女を拒んだ美術史の裏側について、キュレーター、美術史家、科学史家、遺族などの証言と、彼女が残した絵や言葉から解き明かしていく。

公開された予告編では、神秘性と現代性をあわせ持つヒルマのカラフルな作品群と、彼女と美術史の関係にフォーカスし、キュレーター、芸術家、美術史家のコメントが盛り込まれた内容となっている。おわりには、「美術史は書き換えられるのか」という挑発的な言葉が投げかけられている。

【作品情報】
見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界
2022年4月より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
配給:トレノバ

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