ウクライナと〝深い縁〟かつて診た子どもたちが…戦火 憂う広島の医師

ウクライナと縁が深い広島の医師も一連の報道に心を痛めています。

武市宣雄医師「核の話をちらつかせると、どうしてもチェルノブイリ原発と重なるわけですから、そんなことはいけませんよね。そりゃもう絶対戦争をすぐやめなくちゃいけませんよ」

広島市で甲状腺のクリニックを開いている武市宣雄さん。

広島大学病院の医師だったおよそ30年前からチェルノブイリ原発事故で被害を受けたウクライナに度々わたっていました。

武市医師「(ウクライナの人々が)やさしい人たちで日本人のように友和な感じ。(甲状腺がんの)腫瘍の見つけ方、触診から始まってエコーを使って細胞を撮って(日本の)外科でやっていることを向こうに教えた」

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故で特に深刻だったのが子どもたちの「甲状腺がん」です。

武市さんは専門医として当時日本で使われていた技術をウクライナに提供し、医療体制の整備に尽力しました。

当時自らが診察した子どもたちの現在を心配します。

武市医師「ウクライナの子どもたちが成長してきて、若い頃に大変な目にあって、それが60歳までの兵役のど真ん中の人たちです。いけませんよね。(当時)本当にみんな国を挙げて心配したんですよ。36年がたって子育ての真っ最中ですよね、そういう所でまたこんな目に合うというのは考えられません。悲惨すぎます」

そんな原発事故から36年、ウクライナはロシア軍の侵攻を受け24日には、チェルノブイリ原発が制圧される事態に。

武市医師「流れ弾などが当たって(原発が)破壊されたらまた放射線がもれるわけでしょう。そんな所で戦争しちゃいけない」

武市さんは改めて〝平和〟や〝核兵器廃絶〟について考えてほしいと話します。

武市医師「広島に原爆が落ちた経験を我々はしてきたわけだからもうそれがあってはならないのに、戦争すると最後核兵器ありますよ、だから降参しなさいというようなバカげたのはとにかく一時も早くですね。原水爆はですね禁止しなきゃいけない。これは広島の声ですよね」

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