国内初確認、魚類に寄生するクラゲ 藤沢・新江ノ島水族館で展示

幼魚に付着したポリプから遊離したクラゲ(新江ノ島水族館提供)

 魚類に寄生するポリプ(クラゲになる前段階)から遊離したクラゲを新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)が国内で初めて確認し、28日から展示を始めた。

 確認されたのは、サカナヤドリヒドラ類の一種で、傘形約3ミリ。駿河湾と相模湾で1月下旬に採取されたカゴカキダイとボラの幼魚5匹の体表に付着物が付いていたことから、飼育員がポリプではないかと気付き観察を開始した。1~2日後にはクラゲが遊離し、1カ月ほど経った現在は300個体ほどが確認されている。

 サカナヤドリヒドラ類は魚類の体表に寄生する種類のクラゲとしてポリプを元に1941年に1種のみが新種として記載された。しかし、生殖体(クラゲ)に関する情報はこれまでほとんどなく、同館は「日本で確認されることは初めて。世界的にも貴重な情報で、展示されるのもかつてないこと」という。

© 株式会社神奈川新聞社