アフター「ブラタモリ」~糸魚川編出演者に聞く〈1〉 フォッサマグナミュージアム館長・竹之内耕さん(59)

 昨年11月に2週連続で放送されたNHK総合「ブラタモリ」糸魚川編、「#190フォッサマグナ~『日本』はどうできた?~」(20日)「#191糸魚川~君は糸魚川の本当のすごさを知っているか?~」(27日)は地元に大きな余韻を残した。その反響をどう振り返り、今後にどう生かすか、出演した5人に聞いた。

 「諏訪」「松本」の回で糸魚川―静岡構造線(糸静線)が登場後、ついに実現した糸魚川編。「フォッサマグナ」「糸魚川」の両方の回で案内役を務めた。

「糸魚川すごい」形に

  同番組ディレクターは、調査のため事前に長期滞在、「糸魚川のネタの豊富さに心底驚いていた。その感動が番組で形になった」。

 初の全国放送、撮り直しなしの撮影で「初日はさすがに緊張した」。あいにく雨模様だったが、糸静線、砂岩泥岩互層、枕状溶岩などの案内にタモリさんは都度大きく反応し、「根知、糸魚川はすごい」とたたえた。

 番組の肝になったタモリさんの「諏訪解説」には、「良く勉強されている」と感心。特に印象に残ったのは、ガスで視界の効かない早川の棚田で「フォッサマグナ」の物語を、語りと手振りで再現してみせたシーン。「本当にびっくり。すごさを感じた。あのアドリブで番組全体が救われた」。収録後も「『面白かった』と言葉を頂き、本当に良かった」と振り返る。

地元の気付きが収穫

 放送後は市民から「フォッサマグナやヒスイ文化、糸魚川ジオパークのすごさが分かった」などの感想が聞かれた。「地元の人が気付いてくれたのが、一番の収穫だった」。

 番組では、自然の恵みと災害の関連も解説。「フォッサマグナを知ることで、糸魚川で安全に楽しく暮らしていくすべを学べるかも知れない」。タモリさんが称した「日本の原点のようなもの」を自覚し、「日本人の暮らしのモデルのような地に」と展望する。

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