真鶴町の名簿不正問題 書類持ち出しが日常化 町議会で松本町長“告白” 「ほかの職員も同じことしていた」

一般質問の答弁をする松本一彦町長=1日、真鶴町議会

 神奈川県真鶴町の選挙人名簿抄本を松本一彦町長が不正に複写し、町長選に利用していた問題で、松本町長は1日、「職員時代にも町の書類を自宅に持ち帰っていた。ほかの職員も同じことをしていた」と明らかにした。町民の個人情報なども含まれた書類の持ち出しは自らが入庁した30年以上前から行われ、地方公務員法や個人情報保護法に抵触する可能性がある行為が組織内で日常化していたという。

 同日の町議会本会議で高橋敦氏(無所属)の一般質問に対し、松本町長は名簿の持ち出しについて「これまでも書類を持ち帰っていたので、個人情報の取り扱いに対する抵抗感がなくなっていた」と答弁した。

 その上で、神奈川新聞社の取材に対し、書類の持ち出しが自らが入庁した1988年から庁内で公然と行われており、松本町長も管理課(現・総務防災課)に所属していた2010~12年にかけて日常的に持ち帰っていたことを認めた。

 松本町長は「忙しくて仕事がやりきれなかった。日付をまたぐ深夜まで仕事をせざるを得ない状況だった」と釈明。具体的な書類の内容については「覚えていない」とした。

 小田原市など近隣自治体では秘密の漏えいを防ぐため、事務規定で自宅への書類の持ち帰りを原則として禁じている。具体的な規則などはない真鶴町も「情報が外部に流出した場合は地方公務員法の守秘義務違反に当たる」としている。

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