第一回「Sport in Lifeアワード」大賞に“コンクリートジャングルの渋谷でスポーツ楽しんで”

日常生活の中でスポーツの習慣づくりを広げようと、スポーツ庁が実施している「Sport in Lifeプロジェクト」の第一回「Sport in Lifeアワード」表彰式が3月1日、東京都内で開かれ、スポーツ人口の拡大に向けて優れた取り組みをした12団体が表彰された。室伏広治長官は「東京五輪や北京五輪など国際的スポーツイベントが続き、感動を覚えた人も多いと思う。この感動を自らスポーツをする、ということにつなげていきたい」と話した。今年4月から打ち出す5カ年計画「第3期スポーツ基本計画」の素案を披露し、新年度もSport in Lifeの取り組みをさらに推進していく考えを明らかにした。

表彰されたのは12団体で、応募85団体の中から審査のうえ選ばれた。第一回のSport in Life2021大賞に選ばれたのは、一般社団法人TOKYO PLAYの「渋谷どこでも運動場プロジェクト」。渋谷区全域を「15平方kmの運動場」と捉え、輪投げやボッチャなどの道具を貸し出すなどして、日常的な運動や楽しめるスポーツを通じて人々がつながる機会を提供している試みが評価された。

受賞したTOKYO PLAYの代表理事、嶋村仁志さんは「プロジェクト名はドラえもんの『どこでもドア』から名付けました。人と人がつながっていくことで、この街で生きていることがうれしくなるし、思わず体を動かしたくなる。渋谷は海も山もないコンクリートジャングルだが、私たちの活動を知ってもらい、渋谷でスポーツを楽しんでもらいたい」と話した。

審査にあたった、北京・ロンドン五輪競泳日本代表でスポーツ健康科学博士の伊藤華英さんは「スポーツはライブ感が必要ですね。紙で審査をしていたが、こうして実際に会うと、人柄もわかって、より深くプロジェクトのことがわかりました。私も子育てをしつつ、自然の流れの中でできるスポーツをしていきたいと思いました」と話した。

明治安田厚生事業団体力医学研究所の上席研究員、甲斐裕子さんは、就業時間中のヨガ教室参加を認めている東京西サトー製品販売の取り組みを挙げ、「これは運動時間を通じて従業員に投資をしているということなので、とても興味深い試みでした」と話した。

日本財団パラリンピックサポートセンター・推進戦略部プロジェクトマネージャーで射撃パラリンピアンの田口亜希さんは「障害がある人も壁がなくスポーツに参加できる共生社会づくりにつながっていく試みがたくさんありました。素敵な事例がたくさん発信されるのが楽しみです」と話した。

新年度もこうした取り組みをHPや、SNSで広く社会へ発信することで、より多くの国民のスポーツ参加の機会を創出し、Sport in Life(生活の中にスポーツを)の実現を目指していきます。

Web https://sportinlife.go.jp/

Twitter @sportinlife_JSA

表彰式に先立って、令和3年度Sport in Lifeプロジェクト「スポーツ参画人口拡大に向けた取り組みモデル創出事業(実証実験/増加方策) 最終報告会」として、21団体が取り組みの成果を発表した。この実証実験、増加方策は、子ども、中高生、ビジネスパーソン、女性(とくに10代~20代)を対象にし、さらに今年度はコロナ禍でスポーツ実施を妨げている要因の解決に向けた取り組みで、駅前のドラッグストアで正しい歩き方講習を開くなどして、スポーツを日常化する拠点として活用する試み(株式会社ココカラファイングループ)などが紹介された。

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