株式会社帝国データバンク新潟支店が県内企業のメインバンク満足度を調査、信金・信組の評価点数が高い傾向に

株式会社帝国データバンク新潟支店が2月28日に発表した県内企業のメインバンク・対応状況に関する調査結によると、メインバンク満足度は平均7.26点(10点満点)で、信用金庫・信用組合の評価点が高い傾向となった。また、第四北越銀行の合併について対応変化は「変わらない」が全体の8割強を占めた。

帝国データバンク新潟支店では、調査対象は協力を得られた県内企業533社で、2021年11月1日から2月10日に面談によるアンケート調査を実施。

メインバンクの対応(満足度)を総合的に評価すると10点満点で何点になるか尋ねたところ、平均点は7.26点となった。ボリュームゾーンは8点(197点)で、3社に1社が回答。ついで7点(136社)、5点(53点)とつづいた。なお、5点以下とする企業は77社で、全体の14%を占めた。低評価の判断の背景については「メインバンク担当者とのコミュニケーション量が少ない」「担当者の裁量が小さく、決済などに時間がかかる」との声があったという。

金融機関別に評価点を見ると、トップは協栄信組で8.20点。ついで新潟信金(7.67点)、新潟縣信組(7.60点)がつづき、総じて信組や信金の評価が上位を占める傾向がみられた。

取り引き金融機関(最大5行をメインバンク)を尋ねたところ、383社(構成比71.9%)が第四北越銀行をメインバンクと回答した。ついで大光銀行(51社、同9.6%)がつづいた。メインバンクとの融資取引の有無については、全体の85.4%が融資取引を行っていた。

また、メインバンク担当者の訪問状況については、「月1回」が構成比44.7%で最多、ついで、「月2回以上」が同31.8%とつづいた。また業態別で見ると、信金・信組の訪問回数は「月2回以上」で同39.0%で全体を7ポイント以上、「月1回」も同84.5%と全体の76.5%を大きく上回り、地域密着の状況を確認できる。

第四北越銀行

一方で、2021年1月に合併した第四北越銀行に関しても調査を実施。同行と融資取引がある企業(有効回答414社)に合併前後の対応の変化を尋ねたところ、「変わらない」が構成比82.9%で大半を占めた。「良くなった」「やや良くなった」は8.9%、「やや悪くなった」「悪くなった」は8.2%で対応改善を感じる企業が若干上回る結果となった。

なお、同行と融資取引が無い企業(有効回答44社)に対して、融資取引の開始意向を質問したところ、「開始意向あり」や「検討中」と回答した企業は8社だったという。

帝国データバンク新潟支店は今回のアンケートにおける第四北越銀行に関して「同行は(満足度の評価が)7.17点だった。全国で地銀の統合や合併が相次ぎ、各都道府県でトップ地銀の存在感は高まる傾向が続いている。こうしたなか、各エリアにおいて、圧倒的なシエアを誇るトップ地銀に対する地元評価は総じて厳しい傾向にあるが、第四北越銀行に対する評価点は、母数を勘案すると及第点と言っていいだろう」と分析する。

また、コロナ禍に加えて急速に表面化したDXやカーボンニュートラルなど、企業を取り巻く経営環境が大きく変化するなか、同社は今回の結果全体から「金融機関には企業に寄りそう伴走型支援が期待されている。コロナ禍で対面型の訪問回数の増加には難航が予想されるが、訪問回数と評価点(満足度)には相関がみられた。地域経済の牽引役として中心的役割を果たす金融機関が選ばれ続けるためには、企業ニーズ、状況にみあった対応をスピーディに実施し、三方よしを実現する ことが求められている」と総括した。

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