相模原・吉野で「甲州道中のおひな様展」 泥棒も驚き逃げた65センチ享保雛も

江戸時代に作られた「享保雛」=相模原市緑区の吉野宿ふじや

 相模原市緑区の各地域に伝わるひな人形を紹介する「甲州道中のおひな様展」が3月13日まで、同区吉野の吉野宿ふじやで開かれている。約300年前のひな人形も展示されており、来場者を楽しませている。

 吉野宿ふじやは江戸時代に栄えた甲州街道の宿場で、市の登録有形文化財に登録されている。展示されているのは同区の藤野地域や相模湖地域などに伝わるひな人形で、地元住民から提供された。

 最も古いのは江戸時代中期に作られた「享保雛(きょうほうびな)」。藤野地域の住民宅で保存されていたもので65センチほどあり「ある夜、どろぼうが入ったが、享保雛を見て、驚いて逃げ去った」という話も伝えられているという。

 このほか、大正から昭和に作られたお内裏様やおひなさまも飾られている。展示会に訪れた女性(75)は「長い間、それぞれのおうちで大切に保管されているのが分かる。時を刻んできた重みを感じる」と話した。

 入館無料。午前10時~午後4時。月曜休館。

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