沖縄県、学校PCRの対象拡大 陽性者が出たクラス全員に

 新型コロナウイルスの子どもたちへの感染再拡大を受けて県は3日までに、現在は濃厚接触者が対象の学校でのPCR検査を、陽性者が出たクラス全員(接触者)に拡充することを決めた。県立学校は7日から実施。小中学校は各市町村教委が判断する。

 学校PCR検査は1月、感染急拡大で保健所などの検査業務が逼迫(ひっぱく)したことから、検査対象を濃厚接触者だけに狭めた。子どもたちを中心に再拡大していることから再び接触者まで対象を広げた。

 県が外部委託している学校PCR検査チームは2人1組の5チームから現在は8チームに増員した。採取後の検体回収や検査機関への搬出などを委託業者が担う。しかし、委託業者が保護者から直接検体を回収できているのは全体の7%にとどまる。3日の県議会で、国仲昌二氏(立憲おきなわ)が一般質問の中で明らかにした。ほとんどは教職員が回収して業者に渡している。

 南部の中学校の養護教諭は「教職員だけでは対応が追い付かない」と話す。消毒作業や生徒たちからの聞き取り、保護者への電話連絡などは教職員が担う。「授業を持っていない数人の職員で対応するには限界がある」と声を上げた。

 (嘉数陽)

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